出版社内容情報
活動写真弁士を皮切りに漫談家、俳優としてテレビ・ラジオで活躍したマルチ人間、徳川夢声が太平洋戦争中に綴った貴重な日録。〈解説〉水木しげる
内容説明
活動写真弁士を皮切りに漫談家、俳優としてテレビ・ラジオで活躍、また文筆家としても名を成した徳川夢声が、太平洋戦争中に綴った実直で丹念な日録。この記録は戦時下の世相史であり、芸能史、飲食史でもある。昭和二十年四月一日から八月三十一日までの日記を収録。
著者等紹介
徳川夢声[トクガワムセイ]
1894‐1971。島根県に生まれる。明治45年、東京府立一中を卒業。大正2年、活動写真弁士となり、独特の語り口で人気を集める。トーキーの出現後は漫談家また俳優として活躍し、戦後はラジオからテレビに進出。昭和25年にNHK放送文化賞、同29年に菊池寛賞、32年に紫綬褒章を受ける。著書に『明治大正昭和』『親馬鹿十年』『明治は遠くになりにけり』など
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感想・レビュー
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Gen Kato
1
再読。当時の東京における生活、空襲や爆撃の様子が克明に描かれた貴重な日記。参考になります。2015/07/01
がんぞ
1
その時点で生活しながら空襲や配給や戦況や原爆投下について、どう思ったのかの貴重な資料。戦時でもエンターテイメントは求められていて、毎日のように出演がある。口演謝礼や食料品代など細かく記入してあり。工業は軍関係に集中し、食料生産地からの輸送力が足りないなか、恐るべき物資欠乏とインフレが終戦前からあったこともわかる。抄録ではなく元の7冊全部よみたいのだが、図書館にもない。「解説」は水木しげるで、戦地ラバウルの体験談。軍歌をカラオケで唄う者もめっきり絶えたように、太平洋戦争の銃後体験も聞きたくなくなっただろうか2013/06/26
ドント
0
拾い読みながらも、この徳川夢声という人の日本国への愛憎が伝わってくる。恵まれた立場だったとはいえ、世の中に対する冷たくて熱い視線。おそろしいおっさんだ。2012/12/30