出版社内容情報
ケレーニイの主著にして遺著の完訳。死と再生の象徴の森を辿り、酒神バッカスとも呼ばれる謎多き神の根源像に迫る。図版197枚。
内容説明
ケレーニイの主著にして遺著の完訳。死と再生の象徴の森を巡り、酒神バッカスとも呼ばれる謎多き神の根源像に迫る。図版197枚。
目次
第1部 クレータ島の前奏曲(ミノア期の幻視;光と蜂蜜;ディオニューソス神話のクレータ的核心)
第2部 ギリシア期の神話と祭祀(到来の神話;ディオニューソス・トリエテーリコス―二年周期の神;アテーナイ人のディオニューソスとギリシアの秘儀参入者が崇拝するディオニューソス)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
蛇、牡牛、半神、生殖、葡萄酒、破壊と創造、迷宮の集合体であるディオニュソス信仰を、著者はプロティノスのゾーエー/ビオスの生の区別を導きの糸にしてクレタの洞窟の闇に潜む蒼古の大地母神崇拝に至る。未分節な大地(ゾーエー)から分節された童児神(ビオス)ゼウスと異なり、ディオニュソスはビオスの中にゾーエーが潜むことを葡萄酒の酩酊の力によって引き出す。個的生の破壊と大地の生の創造を示す神官達は蛇のイメージ(ゾーエー)を纏い、その儀式で牡牛(ビオス)を屠殺する。アリアドネーの糸はビオスの連鎖するゾーエーの象徴である。2021/08/29
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2
やみくもにディオニュソス関連を読む自分企画第三弾。ジャンメール、オットーと比べて一番面白かったけどまるで理解出来た気はしない。個々の一度きりの生涯としての命ではなく、その根源として永遠に滅びない生としての「ゾーエー」の神、「なのに」ではなく「だから」死のイメージ(時として去勢のイメージ)と常に結びつくような、そういう感じか(解ってない)。アリアドネーに大きく章を割いてるのが嬉しい。アリアドネーで一冊書けるだろ多分。「暗い女神」としてのアリアドネー像もうちょっとつっこみたい。2012/08/17
コマイヌ
1
途中までだったのを読みきった。当たり前だけど全編ディオニーで楽しかった~~知識が無さすぎて全く批判的に読めないのが悲しい。歴史処か地理から分からん。 ゾーエー・ビオスについては勿論、神の座を獲得したディオニーがなんでたかが人間の王女を娶るんだって不満だったのがアリハグネー!迷宮の女主人に蜂蜜酒を!ってなった。突然のアポロンと予言の話とかちょいちょいジャンクに消費できる所もあった。2015/08/04