出版社内容情報
機知と諧謔の渦巻く「言葉の大家」ショーペンハウアーの「これまでほとんど知られていなかった」世界観察の現場への案内書。編著者は諷刺作家・舞台作家等、多彩な経歴の持ち主だが、本書はそうした実績に物を言わせたかたちの、それ自体ユーモアに満ちた「ショーペンハウアーとの対話」である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワタル
1
ユーモア溢れるこの人物を文献や書簡から明らかにする。彼は独身だったが、実は父親だった時期があった。母との確執、ヘーゲルとの対決、父の自殺、失恋、子の夭折などで形成した彼の複雑なパーソナリティを理解するのに役立つ書。2018/08/16
カーリー
0
ショーペンハウアーの伝記本といえますが、あくまでショーペンハウアーのツッコミどころを取り上げて笑おうという内容なので、入門者向けではなく、既にショーペンハウアーを読んだ人向けです。ショーペンハウアーファンには絶対楽しめると思います。2012/11/20
たなしん
0
再読。ショーペンハウアーという思想家はもうこの人自身が面白すぎる作品で、この本なんかそれを知るにはうってつけだと思います。怒るときですら真面目に罵詈雑言を並べ立てながら、「まあそんなに怒りなさんな」という余裕が感じられたりして、その辺理想の気むずかし家だなあと思う。後になって「全くあんなに怒るとはな」と微笑みつつやっぱり悪罵は滝のように溢れる感じ。それ以外にもあの時代にこんなこと言ってたのか、ということもよくわかるし、全集読んだだけじゃ見えなかった部分も見えてきて、非常に面白いです。出典遺稿の文もあるよ。2012/04/08
tatoba
0
愉快な一冊だった2011/06/27
クラウド
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ショーペンハウアーの文章のおもしろいっ!と感じられる部分を多く取り上げている。 ほとんどが引用のため解説書というよりかは読本のようなもので、ただそれらや本文を読むだけでは見えてこなかった彼の一面が、本書の各章のテーマを通して感じ取れる。 すでにショーペンハウアーの思想や人物像に親しんでいる人が読むと、よりたのしめるだろう。2024/01/27