出版社内容情報
日本の農業近代化を指導したケルネルやフェスカ。その教えを実践した先覚者の努力、機械化と農薬、化学肥料が農業を発展させた。しかし近代化は人々を土から遠ざけた。いま農の原点を見失わない先端技術のあり方とは。
目次
日本に、たくさんの外国人教師がやってきた
エドウィン・ダンは、ウシやヒツジとともに北海道へのりこんだ
ケルネルは、実際に役立つ教育を日本人に伝えた
フェスカは、日本に適した農業を人々に教えた
現場に学び、法則を発見した塩入松三郎
日本のコムギ農林10号の子孫が、世界をうえから救った
外山亀太郎は、カイコで遺伝の法則を発見した
吉田昌一は、アジアのイネづくりの改良に、大きな功績を残した
農業の近代化によって、人間は土からはなれていった
産業の発達が、自然をこわしはじめた
自然をだいじにする農業をとりもどさなければならない
土地を中心に、物を循環させる
自然のエネルギーを、むだなく使う
ダイズの性質をもつイネや、ジャガイモの性質をもつトマトができた
ランの生長点を育てて、花をさかせる
良いウシを、目的どおりにたくさん生ませる
情報システムを、農業にもいかす
農業は、風景の美しさもつくりだす
日本の農業技術で、世界に協力する
感想・レビュー
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ワタナベ読書愛
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1991年刊行。著:川井一之、絵:菊池雅夫。農業の発展に力を尽くした偉人と、その仕事を紹介。明治時代に日本にやってきて畜産を教えたエドウィン・ダン、駒場農学校で実際に役立つ教育をしたオスカー・ケルネル等、今ではあまり知られていない人がたくさん登場。後半では、新しい技術や理想的な循環する農業の仕組みを紹介。昭和の時代には、大規模な環境汚染が頻発したので、自然から離れることに危機感を覚えた人が多かった。今、令和になっても状況は改善されたとは言い難い。大事な食料や命の話なのだから、もっとしっかり学びたい。2023/08/05