出版社内容情報
事故調査の目的は事故の背景となる医療システムの問題点を指摘し予防することにある。調査委員らによる患者安全への具体的提言。
目次
第1部 医療事故調査委員会の役割(医療事故にどう対処してきたか―医療事故調査の歴史的な動向から観た群大病院医療事故;クリニカル・ガバナンスへの第一歩―群大病院事故調査が浮き彫りにした課題、その後;座談会 医療事故に向き合う―患者安全のシステムづくりに向けて ほか)
第2部 「患者参加型医療」への提言(「患者参加型医療」実践のための具体的対策―「患者への思い」を伝達することの大切さ;群大病院に「患者参加型医療」を求めた理由;患者安全におけるメディアの役割)
第3部 医療の質向上と安全への指針(患者安全の未来予想―「遅延型アレルギー」への処方箋)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だまし売りNo
5
群大病院の医療事故は「群大のみならず日本の医療現場が長年抱えてきた課題を浮き彫りにした出来事」と位置付けられる。これは多くの医療問題に該当することである。林田医療裁判では患者の長男が経管栄養の流入速度を速め、「延命につながる治療を全て拒否」した。その後の大口病院事件では点滴の管理が問題になった。公立福生病院透析中止事件では死の誘導が問題になった。林田医療裁判で問われた争点は現代日本の医療の問題として問われ続けている。医療問題は単なる一つ事件として終わらせるものではない。2021/03/13