こころの病気のサイエンス

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784535983311
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C3047

内容説明

精神疾患研究の最前線は、今どうなっているのだろうか。双極性障害(躁うつ病)のミトコンドリア異常仮説を唱え、世界的に注目される著者が「精神疾患の科学」の現状をやさしく解説する。動物に精神疾患はあるのか、精神疾患の動物モデルとは何か、うつ病の分子生物学、ストレスと脳との関係、気分障害の薬物療法はいつまで続ければいいのか、ブレインバンク等々といった最新のトピックスはもちろん、「脳トレ」ブームをどう考えればよいのか、教育と脳科学との理想的な関係はどうあるべきかなど、ブレインサイエンスの専門家の立場から身近な話題にも切り込んでいく。

目次

1 こころの病気を科学する(動物に精神疾患はあるか?;双極性障害(躁うつ病)のモデル動物を!
精神疾患のゲノム研究)
2 気分障害のサイエンス(気分障害の生物学をめぐって―失われた「物語」は取り戻せるか;双極性障害の原因は何か;うつ病の分子生物学;ストレスと脳;気分障害の薬物療法の終結)
3 こころと脳科学の未来(「脳を鍛える」ブームの根底にあるもの;今、脳科学が教育に貢献できること;精神疾患研究からみえてくるこころと脳;ブレインバンク―人と人をつなぐもの)

著者等紹介

加藤忠史[カトウタダフミ]
1963年…東京生まれ。1988年東京大学医学部卒業。滋賀医科大学精神医学講座助手、東京大学医学部附属病院講師を経て、現在、理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チーム・チームリーダー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fonfon

6
冒頭から、<本当は、「こころの病」という言葉はいずれなくなるべきだと思っている>と加藤先生はおっしゃる。「こころだって、からだです」というわけ。、意識の内容については言語による研究も可能であるが、無意識については脳を調べないとわからない、脳を調べることなしにこころのメカニズムを明らかにすることはできない、というスタンスである。脳は物質によって形作られる宇宙と、人間の精神世界が創り出す社会との交差点、文系、理系の垣根を越えた、「脳系」の人材を育てて、「人間科学」としての融合を目指そう、従来の「神話的治療」、2011/11/05

バンル

1
「心は一度壊れると元には戻れない」ということを最近聞くが,この本によるとそれはストレスによって脳の神経構造が変化してしまうからだった。感情もホルモンをどのくらい伝達しているかによるみたいだった。当たり前だけど,脳内も脳外と同じで物理法則と化学反応は変わらず,それを利用して動いているんだなとわかった。ならば投薬によってそこをいじれば色々とできることは増えそうである。しかし,脳と言う領域はあまりにも複雑かつ倫理的な問題もあるため,検証が他分野よりはるかに難しいということもわかった。2023/03/16

Haginov

0
脳科学と精神障害に興味のある人にはとても興味深く読める本だと思う。2014/05/05

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