出版社内容情報
貧困、ネグレクトなど子ども期の逆境体験は、後の人生に大きく影響する。その実態とレジリエンスを育み困難を乗り越えるケアを探る。
内容説明
虐待、ネグレクト、貧困、いじめ、差別、災害…子ども期の逆境体験(ACE)は、後の人生に大きな負の影響を与える。一方で、質の高い幼児教育やレジリエンスを育む環境は、保護要因として、ACEの悪影響を緩和する。本書では、ACEの実態やメカニズムに加え、困難を乗り越えるために私たちにできることを、事例とともに紹介する。
目次
第1章 ACEと小児期のトラウマ(逆境体験とACE研究;児童虐待とネグレクト ほか)
第2章 ACEはいかに人生に影響するか―そのメカニズムと保護要因(脳科学(N for Neuroscience)
エピジェネティクス(E for Epigenetics) ほか)
第3章 レジリエンスを育む―質の高い幼児教育とは(ポンティアックの子どもの環境;「質の高い幼児教育」の定義 ほか)
第4章 ペリー就学前プロジェクトとハイスコープ・カリキュラム(先行研究からみえる「教育の質」の要素;ペリー就学前プロジェクトでわかったこと ほか)
第5章 ACEを超えて―思春期・青年期にできること(知ることが予防や治療につながる;ポンティアック・レジリエンス計画 ほか)
付録
著者等紹介
若林巴子[ワカバヤシトモコ]
ミシガン州立オークランド大学人間発達・幼児教育学部准教授、幼児教育博士課程プログラム・コーディネーター(Ph.D. in Early Childhood Program Coordinator)。上智大学外国語学部卒業後、米タフツ大学で児童学(Child Study)修士号、ハーバード大学教育大学院で人間発達と心理学(Human Development and Psychology)博士号取得。スタンフォード大学乳幼児研究センターコーディネイター、NPO法人Parents as Teachers研究次長、ペリー就学前プロジェクトで知られるハイスコープ教育研究財団研究所長などを経て現職。最貧困地域に住む家族や子どもたちに質の高い幼児教育を取り入れることを目的とした数々のプロジェクトに参画している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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