内容説明
「先生は、本気でクライエントに“虫”がついたと信じているのですか?」―ゼミ生からの素朴な疑問に、東教授がすべて本音で答えます。4つの事例とディスカッションを通して、心理療法の最重要技法を学ぶ。
目次
第1部 基礎知識編(システムとフレームの考え方;P循環療法)
第2部 事例編(過食症の女性/個人面接;万引きの高校生/母子合同面接;息子の不登校/両親面接;娘の非行/両親・子ども合同面接)
著者等紹介
東豊[ヒガシユタカ]
臨床心理士、博士(医学)。専門はシステムズアプローチ(家族療法など)。1956年滋賀県生まれ。1979年関西学院大学文学部心理学科卒業、心理臨床家となる。1988年小郡まきはら病院にて心理・社会部部長。1992年九州大学医学部心療内科技官。1997年鳥取大学医学部精神神経科助手。1998年同医局長。2000年神戸松蔭女子学院大学人間科学部心理学科教授。2012年~龍谷大学文学部臨床心理学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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せ~や
38
リフレーミングの理屈やシステムズアプローチの理論が、すごくわかりやすく書かれてる。その上で、心理士としてどう対峙すべきかを厳しく書いている。「問題を責める」のではなく、「問題自体を一緒に味わう」感じ。「思いが現実を作ってしまう」。かんがえさせられる言葉や考え方が多い。名著です。☆52018/05/30
つかさ
4
再読。P循環療法は自分で実践してもかなり効く。仕事では、行き詰まってる時には相手をNで見ていることが多いなと気づく。P循環N循環の考え方だけで少し仕事の腕が上がったのは確か。最初に読んだ時はこの考え方の吸収だけで精一杯だったが、再読して、家族or個人内システムに着目して事例をじっくり読めたのはとても良かった。すごく興味深かった。何度読んでも発見があるだろう。2017/01/20
ひろか
4
ゼミ生がうらやましい。2013/03/17
hapim
3
面白かった!勉強のために読んだのに、こんなに楽しめるとは!クライエントとの向き合い方はもちろん、セラピストが自分自身とどう向き合っていけばいいのかが考えられます。セラピストも自分自身の問題を解決しておかないと、いいカウンセリングはできませんね。それにしても東先生のカウンセリングは躍動感に溢れていて、逐語録を読んでいて引き込まれます。東先生の『セラピスト誕生』も読みます!2017/01/01
morinokazedayori
3
★★★★★困った問題が起こった時に「問題である」と感じるから問題であり、問題であると感じなければ何も問題ではない。一つの事象には良い面悪い面があり、「問題である」と感じるのはその事象の悪い面を捉えているためである。見方(フレーム)を変えて良い面を捉える(リフレーミング)ことができれば、問題が消失する。困ったことがあったらリフレーミングを行えばよい、ということだそうだ。目から鱗だ。心理学専攻の大学院生へのケーススタディの議事録を載せることで、細かいリフレーミングの技法を紹介しており、非常に分かりやすい。2015/10/17