目次
第1章 早期教育の落とし子たち
第2章 現代早期教育事情
第3章 幼児が危ない
第4章 葛藤する母親たち
第5章 早期教育へ駆り立てるもの
第6章 学校現場から早期教育を考える
第7章 早期教育と現代青年像
第8章 早期教育という怪物に蝕まれる家族
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
23
1996年刊。臨床心理士や教育学者らが早期教育の弊害を論じた本。高良論文では、早期教育は、「主役の錯誤」(16頁)を意味するとされている。早期教育の利用主体が親になるからである。かくして自発性の力が奪われ、自信を失い、自己不全感に苛まれる若者が増加することになる。また、汐見稔幸は、早期教育で子どもに促されるパターン認知の向上に関する実践が殆ど意味をなさないと論じる。こうした早期教育は、高学歴化した女性の焦燥感により促されるため、子育ての男女協働が一つの解決策だという三沢直子の見解は今でも通用しそうだ。2024/03/01
ももんがねずみ
0
早期教育には必ずといっていいほど「競争原理」が併存している 例 水泳子供の存在をかりた自己実現の舞台この言葉は心に留めておこうと思う。フラッシュカードなどの早期暗記型やレールを引いた子育てに警笛を鳴らしている。時代の変化とともに母親の子育てにおける責任が重くなった背景が早期教育へと走らせていると分析している7人の専門家が各々の見解から早期教育の弊害を謳っている2016/01/26