出版社内容情報
民法学の泰斗による長年の研究成果の集大成。訴訟実務にも理論的寄与を果たしてきた著者が、前著(『政策形成訴訟における理論と実務』)と同様、「理論と実務の協働」「政策形成訴訟」の2つの分析機軸に基づいて、旧優生保護法訴訟や福島原発事故訴訟、アスベスト訴訟といった5つの重大な損害訴訟を対象に、理論と実務の到達点と展望を示す。
【目次】
序章 理論と実務の協働
補論 公害・環境法における理論(研究者)と実務(弁護士)の協働――建設アスベスト訴訟・福島原発事故賠償訴訟を例に
第2章 旧優生保護法訴訟と最高裁大法廷判決
第3章 アスベスト訴訟
Ⅰ 建設アスベスト訴訟最高裁令和3年判決の検討
Ⅱ 改修・解体工に対する建材メーカーの責任
Ⅲ アスベスト被害救済のあり方――新しい救済制度に向けて
補論 「政策形成訴訟」における「理論と実務の協働」――アスベスト訴訟を中心に
第4章 福島原発事故賠償訴訟
Ⅰ 福島原発事故賠償における原子力損害賠償紛争審査会「中間指針」の意義と限界
Ⅱ 福島原発事故に対する国の責任――6.17最高裁判決の問題点
補論 福島原発事故から12年を振り返って――2023年「原発と人権全国研究・交流集会」基調報告より
第5章 水俣病訴訟
Ⅰ ノーモア・ミナマタ第2次訴訟近畿・熊本・新潟判決の比較検討
Ⅱ 水俣病訴訟における「時の壁」
第6章 障害児の逸失利益
Ⅰ 障害児の「逸失利益」算定のあり方
Ⅱ 聴覚障害児に平均賃金による賠償認めた「画期的」判決
補論 障害を持つ年少者の逸失利益
終章 西淀川公害訴訟における共同不法行為論――公害法理論形成における「理論と実務の協働」(澤井裕教授の事蹟を中心に)



