出版社内容情報
腐敗撲滅の名のもとに、次々と政敵を追い落とし権力基盤を固める中国の新皇帝。中華帝国の再興を目論む彼の最終目標とは何か。ボーン上田賞を受賞した記者が、中国共産党内の暗闘に緻密な取材で迫るルポルタージュ。
内容説明
苛烈な「院政」の封じ込め、「反腐敗」で政敵を次々に摘発…。地方政府の目立たなかった男は、いかにして大国の権力を掌握し、独裁体制を築き上げたのか。14年度のボーン・上田賞記者が、中国最高指導者の知られざる実像と、秘めたる野望の核心に迫る。
目次
第1章 苛烈な「院政」つぶし
第2章 フェラーリ政局
第3章 密謀
第4章 法治の幻
第5章 親父が反面教師
第6章 砂の万里の長城
第7章 ひとまず西へ
第8章 習が求めた首脳会談
第9章 後継者は俺が決める
著者等紹介
中澤克二[ナカザワカツジ]
宮城県仙台市出身。早稲田大学第一文学部卒。1987年日本経済新聞社入社。政治部などを経て98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長の後、東日本大震災の際、震災特別取材班総括デスクとして仙台に半年ほど駐在。2012年から中国総局長として北京へ。2014年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。現在、東京本社編集委員兼論説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
16
腐敗追放と言いつつライバルを死に追いやり独裁化を強める。まるで北朝鮮。ハワイから西は中国が支配するというのが本音。衝突も辞さずという中国に日本はどう対応すべきなのか。2018/10/08
ken
3
習に都合のいい表現が気になりますが、参考になります2016/01/01
Hatann
2
習近平は2013年に国家主席に任命されているが、この本は第一期の前半部分に触れられている。著者に限らず、習近平の権力闘争面を強調して、独裁を志向しているとか、お友達のみを登用しているとか批判的に描写されることも多いが、そもそもそういうところは批判されるべきものではない。習近平も決して聖人君主ではないが、もっとその政策面を評価すべきであろう。例えば、反腐敗運動が権力闘争に使われていることも否定しない。しかし古くは朱鎔基の頃から指摘されて今まで徹底できなかった施策である。そこを断行する意思を買うべきであろう。2018/04/15
波切
2
習近平は反腐敗という名目で江沢民ら過去の長老と呼ばれる権力者派閥の排除を強行。独裁を進め、権力地盤固めを実施。過去の中華繁栄を目指す。共産党の権力者や次代の有力者なども明記されているが、もう少し狭く深く共産党の権力闘争を知りたかった。2016/12/17
harmony1116
2
超大国の中国のトップがここまで個人的なつながりを重視し、内向きでいいのだろうか。これでよく、国の運営ができているのかと思うと恐ろしい。民主主義を知らない国民だからこそでしょうね。2015/11/23