イノベーションの誤解

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532319731
  • NDC分類 675.3
  • Cコード C0034

内容説明

かつてカイゼンで世界を席巻した日本のものづくりは、いつしか過度な「技術革新」型の商品開発に傾倒し、グローバル競争で劣位に置かれるようになった―。日本の「ものづくり」は、どのような罠にはまっているのか。再び競争力を取り戻すには、何を学び、何を変えるべきなのか。気鋭の研究者が、ユーザーイノベーションの観点から、実験・調査によって、日本企業が抱える構造的課題を解明、これから我々が進むべき道を明快に提示する。

目次

第1章 「ものづくり」を誤解した日本(ユーザー不在の「ものづくり」;「ガラパゴス化」発生の構造的原因 ほか)
第2章 イノベーターのアイデアはつまらない(創造性と生産性の罠;クチコミの先行研究から考える ほか)
第3章 ユーザーイノベーションはなぜ起こる?(普及過程を構造的に理解する;イノベーションの「本質」を見失わせるもの ほか)
第4章 カイゼン社会とベンチャー社会(米国のイノベーション論は日本に当てはめにくい;日米の差は、消費者自体の意識の差ではない ほか)
第5章 「イノベーションの誤解」を克服せよ(価値転換現象と、ユーザーイノベーション研究の時代的位置づけ;携帯電話はケータイになり、ワゴン車は普通のクルマになった ほか)

著者等紹介

鷲田祐一[ワシダユウイチ]
一橋大学大学院商学研究科准教授。1968年福井県出身。専門はマーケティング、イノベーション研究。91年一橋大学商学部卒業、同年株式会社博報堂に入社、生活総合研究所、イノベーション・ラボで消費者研究、技術普及研究に従事。2008年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程を修了(学術博士)。11年から現職。ハイテク分野において、ミクロ視点での普及学、グローバルマーケティング、ユーザーイノベーション論、未来洞察手法、デザインとイノベーションの関係などを研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

超運河 良

13
研究開発で新技術を生み出し事業化することによってイノベーションが発生するのとは対照的に、日常的な生産活動の中で、少しずつ無駄を省いたり、生産方法の改良を積み重ねることによって、いつの間にか製品やサービスが優れたものに変貌するカイゼン、改良によるイノベーションがある。製品を改良していくイノベーションは用途を増やしたり形を変えるだけで生産者の頭の中で決めつけた消費者の観点が強く影響される。商品を買う素人の要望に応じたイノベーションがいる。本来イノベーションは業界を破壊する発想から生まれるのがお客様目線。2015/11/10

maimai

9
イノベーションがいまの経済誌に関して大きく問いただされていますが、イノベーションの本質は昔の慣例から脱却し新しい利便性を生み出すことつまりそこには必ずユーザーがいるということ。使い手のことを無視して新しいものを生み出せばよいは単なるマスターベーションに終わり大切なのは新しい慣例でユーザーの満足度を上げること。満足度が足りない都市はスラム化して崩壊するとあるようにユーザーの心を掴まない組織は崩壊する。需要と供給により経済は成り立つからどうユーザーの心を掴むinnovationを起こすかが大切ですね。2020/08/14

Acha

7
かりそめのやる気で着手したものの、むむ。学術的に研究したいわけではないのでちょっと違ったな・・・危惧したり警鐘鳴らしてたことを遡られても、はあ、としか言いようがなく物足りない。で、どうすんだ、の方が聞きたかったのだが、それは自分で考えろ、か・・・うう。すでに面倒になっている時点でこういう本的にはダメな気がする。と、自分の資質はあっさり棚上げ。2015/07/03

まき

5
イノベーションは技術(者)から生まれるのではなく、アーリーアダプタの意図しない使い方が発展することによって生まれるので、マーケティングによって使われ方の変化をものづくりにしっかり反映していきましょう、という技術畑の人間としては耳の痛い話。2015/09/08

ハパナ

3
作り手側の技術革新=イノベーションという考え方があるために、製品のガラパゴス化や国外非汎用性が発生している。イノベーションとは使い手先行で発生するために、作り手側はマーケティングを通して市場との対話が必要である。ではマーケティングに際して、市場のどの層が最もイノベーションに寄与しているのかという内容です。2番目に敏感な層の寄与度が高いとは意外でした。あとは日米の流行伝播の違いについてです。どうでもいい事ですが、コンジョイント分析って語感がいいですね。2015/09/04

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