出版社内容情報
日本が世界に誇る2つの「青」の技術青色LEDと青色半導体レーザー。その開発に鎬を削った中村修二ら研究者たちのドラマを再現し、企業と技術者との関係、そして技術立国・日本が進むべき道を指し示す。
内容説明
本書は、中村修二とそのライバルたちが繰り広げた開発競争の知られざるドラマを、多数のインタビューをまじえて再現する。技術立国・日本を支えてきた研究者たちの夢や苦悩、栄光と挫折を鮮やかに描く書き下ろしノンフィクション。
目次
第1章 中村物語(その一)―四国に誕生した研究職人
第2章 赤崎物語―青色発光素子の「生みの親」
第3章 松岡物語―インジウムの青にこだわりつづけた研究者
第4章 中村物語(その二)―「青」の開発で赤崎と松岡を猛追
第5章 秋本物語―青色半導体レーザー開発で先行
第6章 河合物語―MOCVDのプロを誇りに
第7章 大場物語―不易の研究者の結晶作り
著者等紹介
中嶋彰[ナカシマアキラ]
日経産業消費研究所主席研究員。1954年、兵庫県山崎町生まれ。77年、東京大学工学部を卒業し、日本経済新聞社入社。編集局科学技術部次長、科学技術担当編集委員、「日経テクノフロンティア」編集長を経て、2001年秋、日本初のナノテクノロジー情報誌「日経先端技術」の編集長に就任。03年春から現職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
社長パラディナイト
3
名大の赤崎が低温緩衝層技術で窒化ガリウムの結晶及び電子線照射による窒化ガリウムのp型化、NTTの松岡が窒化インジウムガリウムで本物の青を実現、日亜の中村が熱処理によるp型化、低温緩衝層に窒化ガリウムを使った結晶成長、窒化インジウムガリウムに亜鉛を添加した発光層を使ってダブルヘテロの青色ダイオードを実現した。読みやすく面白いと思わせる構成だった。2014/10/20
Minyole
0
LEDの勉強をしようと思い、学術書を読む前にその世界に浸るために読んでみました。青色LED、青色レーザーの開発の日本のキーマン達について、当事者ではない著者が、客観的に各人の生い立ちから開発成果に至るまでの物語を読みやすい文体で語ってくれます。巻末に、本文中のキーワードについて、学術的な補足説明もあり勉強にもなりました。2016/02/14