内容説明
邦銀に失望し、ウォール街の投資銀行に身を投じた桂木、山一證券出身の天才トレーダー竜神、北海道の開拓者魂にあふれるデリバティブ・セールスマン藤崎―。取引の大型化・グローバル化と金融工学によって急激に変化する80年代の世界市場を背景に、実在の人物や事件を織り交ぜながら、巨額の利益を貪る投資銀行の手の内とそこで働く人々の葛藤を描いた本格経済小説。
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンス、貿易金融などを手がける。2000年、『トップ・レフト』でデビュー。大学時代には箱根駅伝に2回出場し、20kmで道路北海道記録を塗りかえた。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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絶対文庫主義本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
プラス3
5
80年代~2003年ごろまでの金融史を、実在の人物・企業を織り交ぜながら描いた経済小説。実在してなくても、元になったのが丸わかりで(竹川平蔵とかモルガン・スペンサーとかw)リアリティが半端ない。専門用語もバンバン出てくるけど本文中や巻末で解説してくれてますし、たとえ飛ばしても十分楽しめる、おもしろくて勉強になる小説です。2013/11/19
しょういち
3
黒木亮の本は既に何冊か読んでいるが、本書は初期の作品だからだろうか、外銀の金融工学を用いたスキームの仕組み等、素人には説明されても理解できないような詳細な記載が多いように感じた。金融に従事する私にとっては面白く読めるが、素人の方には難解な小説だなと嫌な印象を抱かせてしまうのではないだろうか。非常に面白いだけに、その点が残念。内容的には外銀に翻弄される野村を筆頭とした4大証券など、当時の情勢がつぶさにわかる。時代を疑似体験しているような感覚を覚えさせてくれる良書。2015/11/03
ざっくば
2
米系投資銀行を舞台に語られる狂乱の八十年代。金融知識は無いがこの臨場感に興奮。文中と巻末の解説、あとは雰囲気で読み切ってしまった。あの頃の日本てすごかったんだなぁ…。株価38,000円超!そのジャパンマネーもあちらさんにどんどん吸われていったようだけど。金融工学は現代の錬金術だね。それを知る一部の者のみが巨万の富を手にできる。 2014/02/05
monita
0
バブルにおける外資系証券の動向が知れる一冊。2017/12/23
よしたけ
0
下巻に感想を記す2017/08/17