内容説明
天下は、一人の天下ではない。民をないがしろにする国家経営は滅びる。大名の自治を認め、整備された法によって政治をすすめ…義を重んじる。徳川260年の平和は、家康の苦難が道を拓いた!
著者等紹介
火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、88年『花月秘拳行』で作家デビュー。2007年『天地人』で中山義秀文学賞を受賞し、同作は09年のNHK大河ドラマの原作となった。15年、58歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
47
上下巻750P強、一気読みしました。徳川家康の一生を書くことは、すなわち戦国時代を書くことだと考えます。天下人になった家康ではなく、人間家康の視点でさわやかに描き切っていると思います。家康を取り巻く女性も魅力的に書かれており、歴史小説でありながら恋愛小説としても読めます。最近、上下本がメジャーな各賞を受賞することが多いので、この作品での直木賞受賞を天国に届けられたら最高なんですが・・・2015/05/25
佐治駿河
44
信康が完全な裏切り行為をしていた設定はなかなかの見どころだったのではないでしょうか?信康事件がのちの家康に天下人を決意させた展開ですね。ありがちですが嫌いではありません。また終盤がかなり駆け足で展開されていき関ヶ原の戦い前までの物語です。できれば家康が亡くなるまでの描いてくれたら良かったのですが、難しかったのでしょうね。欲を言えば私が好きな話ですが晩年の竹千代(家光)を呼び寄せ国松(忠長)を留まらせたエピソードが読みたかったですね。2025/11/27
雪月花
43
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の家康だが、待つばかりではなく、頭をひねり策略を練って武田、上杉、北条、そして豊臣と闘い、天下を取ることに生涯をかけたことがわかる。遅咲きではあるが、それまでの苦労と苦悩は計り知れない。天下とは何か?人は何を求めて頂点を目指すのか?自問自答しながら、秀吉とは違った高みを目指す。家康サイドから見た戦国時代も面白かったが、欲を言えば関ケ原の戦いまできっちり描いてほしかった。各地のいろいろな城が出てくるので、城址巡りがしたくなった。2023/03/22
いつでも母さん
42
はあ~,読了しました。せっかくなら上・中・下にして三代目を家光に決めるまで書いて欲しいと思ってしまうほど巧い!あれで完結は焦らされる感じかと・・上巻感想でも書いたが、ホント派手では無いのだが、読ませる。明智光秀との会話で「得るものと失うもの、最後には釣り合う」に同感の私。信長・秀吉に無くて家康にあったもの・・やっぱり『我慢と忍耐』だったなぁ。2015/05/26
星落秋風五丈原
30
本能寺の変、小牧・長久手、朝鮮出兵をさっくり。運命の女性との再会、最愛の女性との出会いなどロマンス面も充実。『天地人』の直江兼続や『真田三代』の昌幸達他作品のキャラが結構登場。ただ…あんまり心に残りませんでした。遺作なのに。2015/05/26




