出版社内容情報
発掘により明らかになる新事実が、縄文観を塗り替えている。「炉は神聖なもので煮炊きは外で行われた」「食事がよかったからか、虫歯が多い」などおもしろトピックを満載。縄文研究第一人者による「縄文エッセイ」。
■目次
プロローグ--どこよりも早い新文化の火の手
I 縄文人骨を読む
科学的データで迫る[身体的特徴]
遺骨に残る潜水漁法の跡[生活者の顔]
農耕民に並ぶ保有水準[虫歯は語る]
治癒を見守る「医療体制」[骨折の跡]
過半数は十五歳までに死亡[短い寿命]
リウマチや栄養失調……[病歴]
「後ろから狙う」が常道?「闘い」
現代犯罪捜査に道開く[土器の指紋]
抜歯、断食……苦痛を超えて[成人式]
縄文人の乾杯[果実酒]
II 縄文人の原風景
狩猟が生んだ「嫁入り型」[結婚]
聖なる場としての住居[ウチとソト]
ハラからヤマに続く遠近法[ムラの成立]
ムラの中の対立、実は共存[双分制]
縄文モデルムラは円[生活舞台]
女性は土器で世界観表現[男女の分業]
文様にしのばれる細やかな心[縄目]
狩猟に命をかける[男の性(さが)]
絶対的でない男女の役割[装身具]
現代との相似形[アクセサリー]
老人も安心して暮らせる[定住生活]
いまに通じる縄文日本語[言葉]
III 日本人に刷り込まれた「文化的遺伝子」
いまに伝わる古代の祈り[蹲踞の習俗]
人間と神の世界の中間に[子供の位置]
副葬品が崩す「平等社会」観[身分階層]
子抱き土偶のほのぼの[母子]
目に見えない観念の産物「祭壇」
ヒト形に近からず、遠からず[土偶]
性に対するこだわりを超える[土偶の表現]
石、木、牙、角、藁……[さまざまな偶像]
板チョコ分割法[土偶の毀し方]
円や方形に世界観を表現[記念物]
六本柱の正体[三内丸山遺跡]
春分、秋分の日の演出[ストーンサークル]
IV 縄文人の影を追って
石鏃をめぐる伝説[正体を追う]
各地に残る巨人の物語[貝塚の発見]
大森貝塚は先住民の遺産[最初の仮説]
流布したアイヌ先住説[日本人の祖先]
学会を揺るがした賛否論争[コロボックル説]
学問に国粋主義のカゲ[「日本原人」論]
姿見せた九千五百年前の世界[上野原遺跡]
村を人工的に整備する[元屋敷遺跡]
内容説明
「煮炊きは炉でなく外で行われた」「農耕民並みに虫歯が多い」「縄文人は酒を飲んでいた?」「副葬品が見られ平等社会ではなかった」…何を食べ、どんな住居に住み、現代人と違うどのような世界観を持っていたのか。最新の「縄文人像」を浮き彫りにする。
目次
1 縄文人骨を読む(科学的データで迫る―身体的特徴;遺骨に残る潜水漁法の跡―生活者の顔 ほか)
2 縄文人の原風景(狩猟が生んだ「嫁入り型」―結婚;聖なる場としての住居―ウチとソト ほか)
3 日本人に刷り込まれた「文化的遺伝子」(いまに伝わる古代の祈り―蹲踞の習俗;人間と神の世界の中間に―子供の位置 ほか)
4 縄文人の影を追って(石鏃をめぐる伝説―正体を追う;各地に残る巨人の物語―貝塚の発見 ほか)