のちの思いに

のちの思いに

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532163242
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

歴史の一大転換期に生きる人に光をあて壮大な叙事詩を描き続けてきた小説家が「のちの思いに」自らの文学の生まれた場所に立ち戻り、悠揚たる至福の時間を綴った薫り高い随想集。世紀末の転換期に絶筆となった。



目 次

1 大学に入ったころ
大学に入ったころ/秀才たちの群/悪戦苦闘の仏語学習/本郷通りと路面電車/中島健蔵の名講義 /女子学生と夏の匂い/読書と書斎/本郷から浅草へ/浅草の仲間たち/芝居小屋

2 リスちゃん登場

大型バスの秘密/リスちゃん登場/社会の海へ/分かれ道/狼の足あとを求めて/電話帳のような本/やさいい友達/親友の恋愛論/留学への夢

3 アルカディアの夏
 
恋のさやあて/都心のデート/結婚の相談/リスちゃんの小屋/リスちゃんのお勤め/信州へ/アルカディアの夏/高原の中間たち/不意のおとずれ/ひと夏の終わり

4 パリに着く
パリに着く/森先生との再開/森先生の引っ越し/船旅で結んだ友情/対照的な異国の友/フランクフルトの哲学青年/ドイツの大学都市/上機嫌の森先生/フランスの夏休み/ニースからイタリアへ/光と闇のローマ/旅の終わり


5 帰国して
帰国して/秀才 粟津則雄/誰もが憧れた福永武彦/『近代文学』とその周辺/『文藝』と坂本一亀編集長/吉田健一と文学の喜び/豊崎光一との最後の旅/『海』と『背教者ユリアヌス』/「青い魚の家」

あとがきにかえて
「のちの思いに」と共に過ごした一年      辻佐保子

内容説明

忘れ得ぬ青春の夢の中へ。戦後間もない混沌の時代をともに生きた恩師、友人、恋人の群像―事実と仮象の微妙な隙間を縫いながら、自らの創作の原点にかえった最後の「作品」。

目次

1 大学に入ったころ
2 リスちゃん登場
3 アルカディアの夏
4 パリに着く
5 帰国して

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

28
学生時代によく読んだ作家の一人、辻邦生氏。本書は氏が亡くなる直前まで新聞に投稿していた回顧録、エッセイ、ある種の青春記とも云える作品。作家になるまでの過程を人(恩師、友人、恋人)との出会いを中心に、若い日の東大での出来事、フランス留学のこと、帰国後作家として歩き始めるまでのこと・・「リスちゃん」というニックネームで登場する佐保子夫人と結婚するまでのいきさつ・・好みの作家だけに興味深く読めた。また巻末に佐保子夫人が書かれたあとがきにかえて”「のちの思いに」と過ごした一年”が感慨深かった。2014/02/16

shushu

2
遺作(?)のせいか、既に亡くなった人が多いせいか、この世とあの世の境があいまいな感じの不思議な作品だった。しかし、戦後しばらくの時代の学問の世界は、日本でもサロン的な、浮世離れした雰囲気も感じられる。論文!学位!学生指導!の話は全く出てきませんww。2013/03/13

1
久しぶりに読んだ辻邦生。本書は遺作の1つで、あと連載2回で完結というところで途絶したのは非常に残念。著者には珍しい自叙伝的な内容だが、帯コピーや佐保子夫人のあとがきを読む限り、フィクションの要素も含まれており、回顧録として読まれたくない意図があったようだ。内容は大学時代からフランス留学、作家としてのデビューまで長きに及んでいるが、行間にいつも、理想と迷い、友人との交わりと彷徨といった、現在の自分にいまいち欠けている「青春」要素が漂っているようで、つい辻邦生を夢中に読みふけった高校時代を思い出した。2014/05/07

leo

1
父が欲しがっていたので買って送った本。送る前に自分でも読んだのだけど、送りたくなくなってしまった。それはこの作品が著者の最後の作品だからで、そう思うと読み終えた時にとても淋しかったのに、その本を人に上げるのだと思ったらまた淋しくなった。

ロバーツ

0
2024年の園生忌に読み始めた。まだまだ読んでない辻邦生作品を読み続けたい。2024/08/02

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