目次
第1講 いろいろなタイプの哲学的な考え方
第2講 一元論的観念論
第3講 ヘーゲルとその方法
第4講 フェヒナーについて
第5講 意識の複合
第6講 主知主義に対するベルグソンの批判
第7講 経験の連続性
第8講 結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bartleby
13
ウィリアム・ジェイムズ晩年の著作で、熟成されつつあった彼の世界観が提示されている。当時流行していた絶対主義(ヘーゲルの影響のもとに生まれた一元論)への批判が執拗になされ、それらの思想の「薄さ」が度々皮肉られているが、それはそうした思想が論理的整合性にばかり拘り現実の生の豊かさを無視していることへの不満や憤りゆえなのだろう。そうした思想の利点や魅力は認めつつも、それに満足することはできず、ベルクソンらの哲学に後押しされながら、自身の世界観を語ろうともがくジェイムズの姿が、文章から伝わってくるようだった。2015/10/22