内容説明
代表的な6篇の小説の意味を、テクストの精緻な読みを通して明快に論じた快著。
目次
第1章 ヒロインの成長と作者の小説観―『ノーサンガー・アビー』
第2章 対照的な恋愛と結婚―『分別と多感』
第3章 結婚と社会の新しい姿―『高慢と偏見』
第4章 不安定な安定―『マンスフィールド・パーク』
第5章 現実認識と共同体の秩序―『エマ』
第6章 ロマンスへの傾斜―『説得』
第7章 オースティンとフォースター―『マンスフィールド・パーク』と『ハワーズ・エンド』
著者等紹介
川口能久[カワグチヨシヒサ]
1951年生まれ。大阪大学文学部卒業。大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学・大阪大学)。現在、立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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viola
4
面白かったです♪オースティンの長編6作品と、フォースターとオースティンについて。先行研究をしっかりと抑えてくれているため(特に多めだと思います)どのように解釈されているのかを一通り抑えるのは凄く良いでしょう。レポートや論文書く際にはこういうのがあると便利だろうな~。専門書ではあるけれど、専門書の中でもかなり読みやすい部類だと思います。2011/06/16
Mana
0
ジェイン・オースティンの研究論文をまとめたもの。話の筋・登場人物の性格からオースティンの意図や価値観を推測している。かなり細かくて物語のあらすじから登場人物の構成・結末まで網羅しているのでこれだけで読んだ気になってしまった。ウルフはオースティンを絶賛してたけどちょっと強引なハッピーエンドって作品が多い気がする。作品のことだけでオースティン自身についてはまったく触れてないので全然気にならなくて逆に良かった。ジョージ・エリオットのほうでは中途半端にメアリアンの人生に触れてるのでよく分からなくてもやもやした。2011/05/20