内容説明
“日本の流通は伝統的であり近代化されるべきもの”との通念が長く続いてきた。この“近代化”への過度な思い入れが、“信頼関係重視”、“顧客志向”、“人的能力重視”という日本の流通の長所さえも“日本的なるもの”として否定する風潮を生んだのである。しかし、流通が社会や文化と不可分の経済活動であることを理解するならば、流通活動を縛る過去のしがらみを脱却し陳腐化した制度を改革するという困難な課題取り組むとともに、日本的流通に内在する文化的遺伝子をゆたかに再生する努力が必要と思われる。本書は、日本の流通再生に向けて何が必要かを明らかにしていく。
目次
流通革新と大型小売業―その発展と転換過程
わが国の百貨店の現状と課題
総合スーパー企業の現状と課題
食品スーパー企業の現状と課題
大型小売業の国際的展開
製配販連携とサプライチェーン・マネジメント
日本的取引慣行とその変革
中間流通機能と卸流通の再編成
ボランタリーチェーン(VC)とフランチャイズチェーン(FC)
地域商業の再生と大型小売業との共生
消費者との価値共創の仕組み
消費者起点流通の課題―小売場面における消費者との相互作用
流通グローバル化と今後
著者等紹介
木綿良行[キワタヨシユキ]
成城大学教授・(社)流通問題研究協会副会長
三村優美子[ミムラユミコ]
青山学院大学教授・(社)流通問題研究協会理事
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