内容説明
本論文集は筆者によって数十年間にわたって書かれた論文のうち、とくに大乗仏教(就中浄土教)に関するものを選んで一冊の著書にまとめた。そのうち「指方立相と想像力の論理」等の何篇かは、知恩院浄土宗学研究所の年報『浄土宗学研究』に寄稿したものである。
目次
1 大乗仏教と神秘主義―その基本的構造をめぐって
2 「指方立相」と想像力の論理
3 宗教体験における即の論理と階梯の論理
4 宗教体験と世界観―浄土教におけるその一論考
5 大乗仏教における智慧論の展開―とくに大円鏡智論の形成とその背景
6 往生思想と菩薩道の完成―道の論理と土(世界)の論理
7 空思想と音楽神秘主義―大乗仏教における音楽論的一考察
8 音響忍論考
9 転換期における絶対者論考―覚鑁における仏身観をめぐって
10 法然における信
11 羯磨曼荼羅と茶道―所作に関する形而上学的一考察
12 法蔵菩薩神話をめぐって―その神話化と脱神話化の相剋をめぐって
13 対面と空―大乗仏教の基本的構造をめぐる比較思想論的一考察