出版社内容情報
第二次大戦中、フランスの飛行士たちは連合軍をあるものは味方とし、またあるものは敵として戦うという、ほとんど類例の無い体験に耐えなくてはならなかった。開戦当時、ヨーロッパの主要国空軍の中でも恐らく最も旧式な飛行機しか持っていなかったフランス空軍は、「電撃戦」で大打撃を受ける。ありあまる目標を相手にフランス戦闘機隊はカーチス・ホーク、モラヌMS.406,さらにドボアチヌD.520を駆使して称賛すべき戦果をあげたものの、Bf109とBf110の前に、みずからもまた多大の損失を喫した。1940年6月の末にフランスが降伏すると、エース達の多くは、北アフリカに逃れたヴィシー・フランス軍飛行隊で飛びつづけた。これらの操縦士たちの多くはやがて北アフリカでかつての同盟軍と戦いを交える。とりわけ1941年のシリア戦線と、1942年11月の英米連合の「トーチ」上陸作戦では、彼等はアメリカ海軍およびイギリス海軍の戦闘機と爆撃機に大きな犠牲を強いた。また、降伏後に海外へ逃れたフランス操縦士も数多く、彼等の何人かはイギリス空軍に加わり、ハリケーン、スピットファイア、またテンペストで注目に価する成功を収めている。ロシアでも、1943年に創
内容説明
電撃戦敗北の屈辱から、祖国解放、対独戦の勝利に至るフランス人操縦士たちが辿った複雑で数奇な運命を読む。
目次
1章 「電撃戦」への前奏曲
2章 「まやかしの戦争」
3章 苦しみに向かって
4章 「電撃戦」
5章 同じ旗の下の敵味方
6章 イギリス空軍に所属して
7章 ソビエトの空
8章 エースたち・その戦果
著者等紹介
ケトリー,バリー[ケトリー,バリー][Ketley,Barry]
軍事航空の分野で、あまり知られていない側面の発掘を専門とする出版社、HIKOKI PUBLICATIONSを自営し、ハンガリー空軍、ポーランド空軍、イタリア空軍、英空軍ボスコムダウンのテスト機などを主題とした多くの出版物を刊行。1960年代以来、戦中のフランス空軍の活動を研究している
柄沢英一郎[カラサワエイイチロウ]
1939年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。朝日新聞社入社、『週刊朝日』『科学朝日』各編集部員、『世界の翼』編集長、『朝日文庫』編集長などを経て1999年退職、帰農
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