血液疾患臨床マニュアル

血液疾患臨床マニュアル

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  • サイズ A6判
  • 商品コード 9784498025646
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 本書は最近の血液学の発展を踏まえ,血液の専門家以外の医師や学生に判りやすい書を提供することを目的に,血液疾患の診療に必要な知識をできるだけ理解しやすく整理し,実地に役立つようまとめたものである. 検査法から診断の進め方,赤血球,白血球とリンパ球,血小板と凝固,線溶に関わる各疾患の診療の実際,骨髄移植,輸血の知識など,明快な図表と記述により,血液学の入門書として,臨床のマニュアルとして必ずや役立つであろう. 序  血液学は極めて重要な臨床分野ですが,しばしば難解な分野と考えられがちです.おおざっぱにいって血液学は,赤血球の異常 それは主として血液中の赤血球数が低下することによって生ずる貧血ですが を取り扱う領域と,白血球の異常 それは白血球の腫瘍性増殖によって生ずる白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫が主体でしたが,最近免疫との関連も注目されつつあります を取り扱う領域と,血小板や血液凝固を取り扱う領域 当初はもっぱら出血傾向が問題となりましたが,現在は逆に血栓傾向が問題となりつつあります に分けられます.このそれぞれの領域について著しい発展がみられていて,そのどれが一つの領域の専門家であっても,他の領域を理解することがだんだん難しくなっています.  本書は,このような最近の血液学の発展をふまえ,血液の専門家以外の医師や学生にも判りやすい本を作るということを目的に,血液疾患の診療に必要な知識をできるだけ判りやすく整理し,実地に役立つようにまとめたものです.1989年にはこの本のプロトタイプが出版されたのですが,以後5年たつうちに内容がかなり古くなってしまいました.このことを考慮し,今回は私どもの教室の中村忍助教授に共同編者として加わってもらい,執筆者も大幅に入れ替え,ほぼ完全な改稿を試みました.  本書が血液学の入門書として,また,血液学の知識の整理にいくらかでもお役に立つことができれば幸いです. 1995年2月 松田 保    《目次》 目次 I.総論 1.血球の産生 〈中村 忍〉2 1.胎生期の造血 2 2.成人期の造血 3 3.血球の増殖,分化 3 4.血球の産生量と分布 5 2.血球の成分と性状 〈中村 忍〉6 1.血液の成分 6 2.血液の性状 6 3.血液検査法 A.採血法 〈大竹茂樹〉8 B.一般的検査 9 1.血球計数法 9 2.自動白血球分類装置 13 3.塗抹標本の作成 14 4.血球染色法 14 C.末梢血液像 17 D.骨髄検査と骨髄像 〈中村 忍〉21 1.骨髄穿刺の実際 22 2.骨髄生検の実際 25 3.骨髄塗抹標本の見方 27 E.血球の生化学的検査 〈中尾真二〉33 1.赤血球の異常に関する生化学検査 33 a.溶血性貧血 33 b.溶血を伴わない貧血 36 c.チアノーゼ 36 d.多血症 36 e.日光過敏症 37 2.白血球に関する生化学検査 37 F.血液免疫学的検査 〈上田幹夫〉37 1.液性免疫検査 38 a.血清総蛋白量(TP)と蛋白分画 38 b.Igの定量 39 c.免疫電気泳動法 40 d.その他 40 2.細胞性免疫学的検査 40 a.リンパ球増殖機能検査 45 b.免疫グロブリン産生能 46 c.標的細胞傷害試験 46 d.遅延型皮膚反応 47 G.血小板の機能検査 〈朝倉英策〉47 1.止血,血栓機序 血液はなぜ凝固するか 47 2.抗血栓機序 血液はなぜ凝固しないか 50 3.血小板の機能検査 52 a.出血時間 52 b.毛細血管抵抗試験(RUMPEL-LEEDE試験) 53 c.血餅退縮能 53 d.血小板粘着能 53 e.血小板凝集能 54 H.血液凝固,線溶検査 〈朝倉英策〉57 1.プロトロンビン時間 57 2.活性化部分トロンボプラスチン時間 59 3.フィブリノゲン 59 4.トロンボテスト・ヘパプラスチンテスト 60 5.凝固因子活性 60 6.VON WILLEBRAND因子 61 7.PIVKA-II 61 8.アンチトロンビンIII 62 9.プロテインC・プロテインS 62 10.FDPとDダイマー 63 11.プラスミノゲン・α2-プラスミンインヒビター 64 12.プラスミノゲンアクチベーター インヒビター1 65 13.トロンビン-アンチトロンビンIII複合体・プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体 66 I.染色体,遺伝子検査 〈大竹茂樹〉67 4.診断の進め方 A.問診と診察 〈松田 保〉71 1.問診 71 2.診察 73 B.検査の進め方 75 1.赤血球系 〈中村 忍〉75 a.貧血 75 b.赤血球増多症 77 2.白血球系 〈中村 忍〉77 a.白血球増多症 77 b.白血球減少症 80 c.末梢血液像の観察 80 3.血小板系 〈中村 忍〉80 a.血小板減少症 81 b.血小板増多症 83 4.凝固,線溶系 〈朝倉英策〉 83 a.FDP上昇症例 83 b.FDP正常症例 84 5.免疫系 血液免疫学的検査 〈上田幹夫〉85 II.各論 1.赤血球 A.鉄欠乏性貧血 〈奥村廣和〉90 1.概念 90 2.体内鉄の種類と移動 90 3.病態生理 92 4.臨床症状 92 5.検査所見と診断 94 6.治療 94 B.鉄非利用性低色素性貧血 〈奥村廣和〉95 1.鉄芽球性貧血 96 2.無トランスフェリン血症 96 3.サラセミア 97 4.症候性貧血 97 C.溶血性貧血 〈中尾真二〉98 1.定義と分類 98 2.主要症状と検査所見 98 3.診断 99 4.疫学 100 5.先天性溶血性貧血 100 a.赤血球膜の異常による溶血性貧血 100 b.赤血球酵素異常症 102 c.ヘモグロビン異常症とサラセミア 103 6.後天性溶血性貧血 104 a.免疫機序による溶血性貧血 104 b.発作性夜間血色素尿症 107 c.赤血球破砕症候群 109 D.巨赤芽球性貧血 〈大竹茂樹〉111 1.定義と原因 111 2.病態 111 a.ビタミンB12 111 b.葉酸 114 3.症状 114 4.検査所見 115 a.末梢血液所見 115 b.骨髄所見 115 c.無効造血 115 d.血清ビタミンB12 116 e.血清および赤血球内葉酸 116 f.ビタミンB12欠乏原因の検索 116 5.診断 117 6.治療 117 a.ビタミンB12欠乏症 117 b.葉酸欠乏症 118 E.再生不良性貧血 〈中尾真二〉119 1.疾患概念 119 2.疫学 119 3.病態生理 119 a.造血幹細胞の質的異常 119 b.免疫学的機序による造血の抑制 121 c.造血幹細胞を支持している造血微小環境の異常 121 4.診断 121 5.治療 125 a.支持療法 125 b.造血回復を目指した治療 125 6.予後 128 F.赤芽球癆 〈中尾真二〉128 G.症候性貧血 〈上田幹夫〉131 1.Anemia of Chronic Disease 131 a.鉄代謝と赤血球の動態 131 b.炎症に伴うサイトカインとACDの成因 132 c.ACDの治療 133 2.腎不全に伴う貧血 134 3.肝疾患に伴う貧血 134 4.内分泌疾患に伴う貧血 134 H.多血症 〈奥村廣和〉135 1.概念と分類 135 2.絶対的多血症 135 a.真性多血症 135 b.二次性多血症 138 3.相対的多血症 139 2.白血球とリンパ球 A.白血病 〈中村 忍〉 140 1.概念および原因 140 2.疫学 140 3.分類 140 a.慣用的分類 140 b.FAB分類 142 4.急性白血病 144 5.骨髄異形成症候群 158 6.慢性白血病 159 a.慢性骨髄性白血病 159 b.慢性リンパ性白血病 163 c.その他の慢性白血病 166 7.特殊な白血病 166 a.赤血病・赤白血病 166 b.急性骨髄巨核球性白血病 167 c.急性混合型白血病 168 d.Granulocytic sarcoma 168 e.成人T細胞性白血病 169 B.悪性リンパ腫(含類縁疾患) 〈中村 忍〉170 1.概念および疫学 170 2.分類 170 3.ホジキン病 171 4.非ホジキンリンパ腫 179 5.特殊型および類縁疾患 185 a.成人T細胞白血病/リンパ腫 185 b.皮膚病変を主徴とするリンパ腫 185 c.BURKITTリンパ腫 186 d.免疫芽球性リンパ節症 186 e.組織球症 187 f.悪性リンパ腫と紛らわしい良性疾患 188 C.多発性骨髄腫 〈山口正木〉190 D.原発性マクログロブリン血症 〈山口正木〉197 付)H鎖症 199 E.顆粒球減少症 〈又野禎也〉199 F.骨髄線維症 〈又野禎也〉202 3.血小板と凝固・線溶 A.血小板の量的異常 〈大竹茂樹〉206 1.血小板減少性 206 a.分類 206 b.偽性血小板減少症 206 c.特発性血小板減少性紫斑病 208 d.薬剤による血小板減少症 212 e.血栓性血小板減少性紫斑病 213 f.溶血性尿毒症症候群 214 g.血小板分布の異常 214 2.血小板増加症 214 本態性血小板血症 216 B.血小板の質的異常 〈森下英理子〉216 1.先天性血小板機能異常症 218 a.血管内皮下組織への粘着の障害 218 b.血小板凝集の障害 218 c.血小板放出反応の障害 218 2.後天性血小板機能異常症 219 C.血友病と類縁疾患 〈森下英理子〉220 1.血友病 220 2.VON WILLEBRAND病 226 3.その他の血友病類縁疾患 228 D.後天性血性素因 〈森下英理子〉230 E.先天性血栓傾向 〈森下英理子〉234 F.後天性血栓傾向 〈山崎雅英〉237 1.播種性血管内凝固症候群 238 2.悪性疾患 238 3.敗血症 239 4.ネフローゼ症候群 239 5.心疾患(弁膜症・人工弁置換後状態・不整脈など) 239 6.抗リン脂質抗体症候群 240 7.Lipoprotein(a)高値 246 8.その他 247 G.DIC 〈朝倉英策〉248 1.DICの診断 248 2.DIC準備状態 251 3.凝固優位のDICと線溶優位のDIC 252 4.DICの鑑別診断 255 5.DICの治療 256 H.抗血栓療法 〈松田 保〉257 1.ヘパリン 257 2.経口抗凝血薬 258 3.精製毒蛇など 259 4.AT III濃縮製剤など 260 5.血漿中のAT IIIと無関係にトロンビンを阻止する合成薬 260 6.アスピリン 260 7.チクロピジンなど 261 8.ウロキナーゼ 262 9.t-PA 263 10.プロウロキナーゼなど 263 11.PTCR 264 4.骨髄移植 〈塩原信太郎〉 1.骨髄移植の原理 266 2.骨髄移植の方法 266 a.同種骨髄移植 268 b.自家骨髄移植 270 3.骨髄移植の成績 271 a.同種骨髄移植 271 b.自家骨髄移植 273 c.非血縁者間骨髄移植 273 4.移植の課題と今後の方向 274 a.ドナープールの拡大と非血縁者間骨髄移植 274 b.GVHDの制御 275 c.再発予防 275 5.輸血 〈塩原信太郎〉 1.基本的事項 276 2.実施上の注意 277 a.安全な輸血製剤の確保 277 b.患者との適合性の確認 279 c.手術時の血液準備量 281 d.緊急時の輸血および大量輸血における例外 282 e.実施体制と経過観察 282 3.輸血検査 282 a.血液型検査 282 b.抗体スクリーニング 283 c.交差適合試験 285 4.輸血副作用 285 a.不適合輸血 286 b.感染症 286 c.大量輸血に伴う合併症 287 5.輸血後graft versus host disease(GVHD) 287 6.血液疾患と感染症 〈舟田 久〉290 1.宿主側要因からみた感染症 290 a.顆粒球減少に伴う感染症 290 b.液性免疫不全に伴う感染症 293 c.細胞性免疫不全に伴う感染症 294 付1)EBV感染 294 2.感染症治療 295 a.治療薬剤 295 b.治療期間 295 3.感染予防 295 a.顆粒球減少患者の感染予防 297 b.ワクチン,γ-グロブリンによる感染予防 297 c.その他の感染予防 297 付2)HIV感染 298 索引 299

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