内容説明
中国大陸の東に広がり、朝鮮半島と日本をつなぐ海域、「東アジア海」。この海を囲む私たちの文明が来た道は、黄河から始まる。
目次
第1章 古代東アジア世界における黄河下流域(黄河と東アジア海文明の歴史と環境;移民から見た黄河下流域の外向傾向の変遷;四世紀~一〇世紀の黄河下流域におけるソグド人 ほか)
第2章 黄河下流域の環境と人々のくらし(黄河下流地区竜山文化城址の発見と早期国家の発生;山東省仰韶時代の人口規模およびその環境と変遷;漢魏時代黄河中下流域における環境と交通の関係 ほか)
第3章 黄河下流域を見る方法(中国大陸十万分の一地勢図の種類とその資料的特徴について―河北省大名県における外邦図・民国図・ソ連図の比較を通して;衛星画像を利用した黄河下流域古河道復元研究―大名・館陶を中心に;黄河下流域における初期王朝の形成―洛陽盆地の地理的、生態的環境 ほか)
著者等紹介
鶴間和幸[ツルマカズユキ]
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。文学博士。学習院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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韓信
2
黄河下流域における生活・文化・自然環境等の歴史的展開をテーマとした学習院大学でのシンポジウムに基づく論文集。文献史学や考古学に留まらず、フィールドワークやGPSによる黄河旧河道の復元など、個人的には新鮮な論文が多くて興味深かった。以下、特に面白かった論文。森部豊「四世紀~十世紀の黄河下流域におけるソグド人」は、著者及び先行研究の総括的内容で個人的に新知見はないが、唐末の魏博節度使の羅弘信もソグド系突厥であった可能性に触れており、僕も彼が馬軍に関わっていたことから、その可能性を考えていたので勇気づけられた笑2020/08/05