内容説明
組織で行われている意思決定の基本を理解できる。心理学手法を利用して、部下や上司、同僚などを理解するコツを紹介。集団の特徴、集団化の意義と弊害、集団化により高い成果をあげるテクニックを紹介。手っ取り早く行う実際の意思決定と、その誇りについて理解できる。偏った、誤った意思決定を回避するポイントを紹介。
目次
第1章 意思決定の概要(意思決定とは;意思決定モデル ほか)
第2章 組織における意思決定に対する「個人特性」の影響―心理学からのアプローチ(企業で活用される個人の心理特性;パーソナリティ ほか)
第3章 組織における意思決定に対する「集団・組織特性」の影響―行動科学、集団力学、組織論からのアプローチ(集団・組織の視点の重要性;集団化の影響 ほか)
第4章 組織における意思決定に対する「情報・判断特性」の影響―行動(実験)経済学・行動ファイナンスからのアプローチ(「情報・判断特性」の影響とは;合理的意思決定を志向する決定理論1~期待値原理と期待効用理論 ほか)
第5章 的確な意思決定を目指して―処方的アプローチへのプロローグ(処方的アプローチの必要性;個人特性を踏まえた意思決定の向上 ほか)
著者等紹介
山崎由香里[ヤマザキユカリ]
成蹊大学経済学部准教授。明治大学商学部、明治大学商学研究科博士前期課程修了。麗澤大学非常勤講師、成蹊大学非常勤講師を経て、2002年成蹊大学経済学部着任。修士(商学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
き
4
組織の意思決定について規範的理論から、心理学、行動科学、集団力学、組織論、行動経済学とほぼ網羅的に理論が紹介されている。ここまで幅広いと何の本だか分からなくなりそうだが、実際の企業の意思決定の例が間にコラムとして挟まれていて、企業の意思決定についての問題意識が明確になっている。ほぼ日常的に行っている意思決定の背後にこんなに沢山の影響要因やプロセス、バイアスがあるとは。これを一言、「限定された合理性」と表現したサイモンはやはり偉大。2016/09/09
たかし
0
記述的意思決定論のレビュー論文。氏は規範的意思決定と記述的意思決定を相互補完する処方的意思決定論を目指すが、現実の組織における意思決定を体系的に整理した研究が少ないことに鑑み、その様子を理論およびケース紹介を通じて詳細に記述することに努めた研究書。章立てを「個人特性」(心理学)、「集団・組織特性」(組織論、OB)、「情報・判断特性」(行動経済学)として整理したところが本書の特徴。参考文献によると氏は成蹊大学論集への論文が主業績で、本書は査読付き投稿論文・博士論文がベースでなく(修士取得のみ)珍しい。2011/05/10