内容説明
多くの多国籍企業が、中国とインドを、オフショアリングやコスト削減の観点からのみとらえ、小さな富裕層向けに特化した市場戦略を立てている。そのような近視眼的なものの見方をしていては、この世紀の大チャンスは、目の前をただ通り過ぎていってしまう、と経営戦略研究者のアニル・K・グプタとハイヤン・ワンは警告する。本書において2人は、中国とインドの台頭によって創出される隠れたチャンスと挑戦の可能性を見出し、さらに両国の補完的な強みを取り込んで、グローバル優位を獲得する秘訣をビジネスリーダーたちに教示してくれる。明日の世界市場のグローバルリーダーになる企業は、GEやヤム・ブランド、IBM、シスコ、といったパイオニア企業が行っているように、中国とインドだけが併せもつ「4つの現実」の1つ1つに真っ向から取り組まなくてはならない。中国とインドにおける今日の市場と資源を巡る過酷な競争に焦点をあてた画期的な本書は、そんな企業のための、新時代の世界競争を制する“真のグローバル戦略”のアクションプランを明示する。
目次
第1章 4つの「ストーリー」が融合する国、中国とインド
第2章 中国かインドかの二者択一ではない
第3章 メガマーケットとマイクロカスタマー:現地市場の覇権を巡る争い
第4章 中国とインドを活用して世界競争を制する
第5章 世界の舞台で「ドラゴン」や「タイガー」と戦う
第6章 優秀な人材を巡る戦い:豊富といわれる中での人材不足
第7章 2020年のグローバル企業
著者等紹介
グプタ,アニル・K.[グプタ,アニルK.][Gupta,Anil K.]
インシアード(INSEAD)教授(戦略部門長)、経営学博士(DBA)、MBA。チャイナ・インディア・インスティテュート主席顧問。戦略・グローバリゼーション・新興市場における世界有数の専門家として広く知られている。インド経営大学院でMBA、ハーバード・ビジネススクールで博士号を取得。メリーランド大学スミス・ビジネススクールのグローバル戦略組織論の部門長教授を経て、2010年1月より現職
ワン,ハイヤン[ワン,ハイヤン][Wang,Haiyan]
チャイナ・インディア・インスティテュート経営パートナー、経営学修士、MBA。20年間にわたり、米中の多国籍企業でコンサルタントや経営幹部を務めてきた。北京の対外経済貿易大学で経営学修士号、メリーランド大学カレッジパーク校でMBAを取得。現在は、ワシントンDCを拠点とするリサーチ・コンサルティング会社、チャイナ・インディア・インスティテュートの経営パートナーを務める
若山俊弘[ワカヤマトシヒロ]
国際大学大学院国際経営学研究科教授、Ph.D.。シラキュース大学で博士号取得後、米国ゼロックス社勤務。帰国後、国際大学大学院国際経営学研究科着任。2001年より同研究科教授。MBAプログラムにて「経営戦略」、「グローバル戦略」、「イノベーションと新規事業開発」などの科目を担当。研究テーマはグローバル戦略、グローバル・イノベーション最前線の理論的解明。IBM、日本銀行など多数の企業、官公庁で実務家向け講演、ワークショップなども実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。