出版社内容情報
友だちってどうやってつくるんだろう。みんなといるのに一人ぼっちなのは、一人でいて一人ぼっちなのよりうんとさびしい。小さな胸にそんな思いを抱えるけいくんに、がっこうかっぱは「気づかないうちになってるのが、友だちさ」といい、「きみががんばってるとき、さびしいのをがまんしているとき、わらっているとき、ないているとき、だれかがきみを見ているよ」と伝えます。うまく自分を出せない子たちの背中をそっと押す物語。
内容説明
なんだ?このカエル。かおがまるくて、からだはほそかった。あたまになにかついている。あれ?もしかしたら、これってカッパ?絵本で見たことがある。お話の中のいきものかとおもってたけど、ほんとうにいるんだ!
著者等紹介
山本悦子[ヤマモトエツコ]
愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第五十五回野間児童文芸賞受賞。日本児童文学者協会会員
市居みか[イチイミカ]
兵庫県生まれ。絵本作品多数。滋賀県の山あいの町で、夫、息子と暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マツユキ
13
『がっこうかっぱのイケノオイ』が面白かったので、続編も。 6月になっても友達ができない「ぼく」は、2時間目の後にある元気タイムを、池で過ごしていた。そんな時、池の工事が決まって…。 ひとりぼっちの男の子の悩みが切ないけど、気にかけてくれる人はちゃんといるから、大丈夫。読んでいて、ほっとします。市居みかさんの絵も、楽しく、可愛い。 2021/07/16
ツキノ
11
(E-34)1年生になって友だちのできないけいくん。ドッジボールの組み分けでじゃんけんする子がいなかったのをきっかけに、池にいくようになる。こいにえさをあげるうち、出会ったのはカッパ。「もしかして、きみもひとりぼっちなの?」と家に連れて行く。水槽に水を入れてママに見つからないようにするけれど、元気がなくなり、けいくんも発熱。元気なげんちゃんがおたよりを持ってきてくれて、お隣の家のなこちゃんも合流。カッパと楽しく遊ぶ。ひとりぼっちのようでいて「誰かが見てくれている」という安心感。2020/02/15
遠い日
10
これに先んじて『がっこうかっぱのイケノオイ』があるそうだが、前後して読むことにする。一年生になってからまだ友だちのできないけいくん。誰とも話せず、自分はひとりと決め込んで過ごす、学校の池のほとり。その隠れ場所の池が改修されることになった時、目の前に現れた小さなかっぱ。そこから始まるけいくんのアクションが、ことを動かす。物事がつながっていくときの心地よいうねりが、みんなを包んでいい感じ。ひとりじゃない。みんなお互いをちゃんと見ているし、感じている。2020/11/24
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
令和6年度、4年生ブックトーク授業。テーマ【冬休みに読もう】 4年生の国語科教科書上下で単元や紹介されている絵本を選書。こちらは紹介されていませんが、山本悦子さんの文章が読みやすくておすすめしました。2024/12/18
★なおぴんコ★
7
図書館本。がっこうかっぱ2冊目。なかなか友達ができない1年生のけいくんのお話。自分は一人ぼっちだと思っているけいくんの憩いの場所の池でかっぱを見つけ飼うことにしたけいくん、そこにクラスメイトが関わっていきます。今回もほっこり、心が優しくなりました。新年度がくめなかったり始まって少し経った頃に読むといいかもと思いました。子どもの味方のがっこうかっぱが本当にいたらいいのにな。本文より“気づかないうちになっているのが、友だちってもんさ”2023/03/14