アメリカ医療改革へのチャレンジ

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  • サイズ A5判/ページ数 227p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784492701003
  • NDC分類 498.13
  • Cコード C3033

内容説明

過剰な検査、投薬をすればするほど診療報酬が増える出来高払いにもとづく日本の医療制度は、財政面からの改革が迫られている。それに対して米国マネージドケア制度の下では、保険者(国、保険組合)が医療費を医療機関の請求分だけ受動的に支払うことはなく、医療機関の選択、診療内容への注文を付け、医療の質の向上に能動的に関与している。米国医療政策のエキスパートが著した本書では、マネージドケアが本来目指している「医療費の削減と医療の質の向上」がバランスよく描かれている。このテーマは、現在の日本の医療政策に最も重要とされている課題であり、マネージドケアの教訓(良い面と悪い面)を含め、今後の医療改革に取り組む上で参考にすべき必読の書である。

目次

序章 アメリカ医療制度の過去、現在、未来
第1章 従来の健康保険制度の失敗
第2章 思ったほど良くはなかった旧制度の医療の質
第3章 マネージドケアの台頭
第4章 マネージドケア制度の手法
第5章 医療の質向上の最前線
第6章 マネージドケアに対する反発
第7章 マネージドケアの成績:思ったより優れているマネージドケア
第8章 価格の決まり方、選択の崇拝、医療の質にかかる費用
第9章 最低ラインの保護
第10章 マネージドケアにおける医療の質を高めるための13のステップ

著者等紹介

ツェルマン,ウォルター[ツェルマン,ウォルター][Zelman,Walter A.]
カリフォルニア保険組合(California Association of Health Plans)の執行役員となり、最もマネージドケアが盛んなカリフォルニア州におけるHMOを代表する立場になった

ベレンソン,ロバート[ベレンソン,ロバート][Berenson,Robert A.]
クリントン政権の政治的被任命者として最近まで3年間、メディケアの一部であるメディケアチョイス保険の責任者を務めてきた。現在では政府の要職を離れ、従来のメディケア制度がマネージドケアの最良の手法やうまく機能するリスク調整の仕組みをどのように導入しているか、そして保険会社が本来なすべきこと、すなわち現在行っている医療費の管理ではなく、医療の最適な管理のための革新をどのように軌道に乗せるであろうかについて見守っている

宮川路子[ミヤカワミチコ]
法政大学人間環境学部助教授、医学博士。慶応義塾大学医学部卒、同大学院医学研究科博士課程単位取得退学。慶応義塾大学医学部専任講師を経て現職。専門は公衆衛生学、特に産業保健。大学における教育、研究を行う傍ら、産業医としての仕事にも力を注いでいる。日本産業衛生学会専門医

宮川義隆[ミヤカワヨシタカ]
慶応義塾大学医学部専任講師、医学博士。慶応義塾大学医学部卒、同大学院医学研究科博士課程単位取得退学。1999年から3年間ワシントン州立大学医学部内科に上級研究員として留学。留学中に米国の医療制度について研究を始める。現在は慶応義塾大学病院内科で臨床業務、医学教育、基礎研究を行うとともに、患者さんに最善のサービスを効率よく提供するための施策について研究を進めている
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