内容説明
AI時代になってまで、私たちはなぜ「働くこと」にこだわるのか?仕事には時間の大半を費やす意義があり、人間の価値を決定し、人生の豊かさを左右する―それは「幻想」かもしれない。
目次
イントロダクション 人間と仕事の複雑な歴史
第1部 始まり(生きることは仕事をすること;仕事せずにはいられない ほか)
第2部 豊潤な環境(独自の豊かな世界;森林の幽霊)
第3部 畑で骨折って働く(崖から飛び降りる;ごちそうと飢餓 ほか)
第4部 都市の生物(明るい光;果てのない野心という病気 ほか)
結論
著者等紹介
スーズマン,ジェイムス[スーズマン,ジェイムス] [Suzman,James]
南部アフリカのコイサン人の研究を専門とする人類学者。ケンブリッジ大学でアフリカ研究のスマッツ英連邦フェローシップを受け、現在は現代の社会・経済問題の解決に人類学的手法を応用するシンクタンク、アントロポス社のディレクター。英国ケンブリッジ在住
渡会圭子[ワタライケイコ]
1963年生まれ。翻訳家。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐藤一臣
6
言い回しが難解でところどころ意味を捉えることができない。再読予定。働きすぎの背景として、まず農業革命を挙げている。農耕牧畜は朝から晩まで働かないと成果が出ないし、働けば働くほど成果が目に見えるので欲望を際限なく拡大させるらしい。次が分業と並立した都市化。生産性の飛躍的な向上によって、過酷な農耕牧畜をしなくてもいいやという層がで始め、仕事の多様化による分業が拡大。都市部では賃金労働が引き金となって、田舎で作られた生産物が都市の維持のために流入したようだ。ブリコラージュと地方分散化に本気で取り組まないといかん2024/10/24
リットン
5
このまま技術の進歩が進めば働かなくていい世界が来る、というような予言は昔からされているんだなぁ。そして、それが来ないのは進歩の遅れではなくて、人の欲が留まるところを知らず、常に欠乏しているからというのもなるほどたしかに。でも、なんとなくそれを病気だと言ったところで、患者である現代人にとってそれは物心がついたときからのものであり、自覚症状はほぼないだろうと思うと、前提として受け入れるしかない気もするなぁ。最近は若い世代で価値観は多様化しているがそれでもメインストリームは変わってないのだろうなー2024/02/04
たかぴ
4
序盤での仕事という言葉の持つ広さに魅了されかけたが、結論があっさりだったかな。これくらいしか書けないのかもね。欠乏の経済学を弱めて、維持出来ない程の経済成長に固執するのは止めてみてもいいのではと。2024/02/17
takao
3
ふむ2024/06/16
Book shelf
3
狩猟採集民からブルシットジョブ、AIに至るまでの労働史を俯瞰する内容。本書の三分の二近くが狩猟採集、農耕についてなので、いかに工業化が最近のことなのかに気付かされる。デジタル産業に至っては労働史の中ではまだ生まれたばかりの分野だ。ただ、人類の働き方の俯瞰はできたとしても、何か突出した主張があるわけではなく、有名人が絶賛しているとアピールしているほど内容が濃いものではなかった。2024/05/25
-
- 和書
- 四文字の殺意 文春文庫