ルポ年金官僚―政治、メディア、積立金に翻弄されたエリートたちの全記録

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ルポ年金官僚―政治、メディア、積立金に翻弄されたエリートたちの全記録

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  • サイズ 46判/ページ数 448p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784492224168
  • NDC分類 364.6
  • Cコード C3036

出版社内容情報

100年安心は、まやかしなのか、不安を煽ったのは、誰か──。

 2025年、国民の5人に1人が後期高齢者になる。この国の年金制度はどうあるべきなのか。その解は、年金官僚たちの壮絶な攻防のドラマの中にちりばめられている。

***

 私は「年金ブーム」の1年半ほど、ほぼ毎号、『週刊ポスト』の年金取材に明け暮れた。徹夜もしょっちゅうだったが、20代後半という若さ、知識を吸収する喜びがあり、記者としての手ごたえを感じた時期だ。私の記者人生の〝青春〟であった。
 ただし、いくらメディアが激しく批判をしたところで、法律が大きく修正されることはなく、順調に成立した。社会保険庁は解体に追い込まれたが、それで国民生活が良くなったのか、今もって実感がない。
 恥を忍んで言えば、「マクロ経済スライド」が人口減少、平均余命の延びによる調整に過ぎないことを、私は本書の取材で初めて理解した。制度の本筋とずれた所を、懸命に掘り下げていたのである。年金取材にどっぷり浸かった私ですらそうだから、一般国民が知るよしもないだろう。
 2005年に『週刊文春』に移籍してからも、編集部は私に、年金の記事を数多く担当させてくれた。年金は、私にとって〝背骨〟のような取材対象であり続けた。
 本来、私は記者として何を報じるべきだったのか。こうまでメディアを、私を、惹きつける年金とは一体何なのか──。それを解き明かし、ノンフィクション作品として世に問いたいと決意したのが、本書執筆の動機である。

内容説明

国民の年金不信がとまらない。これまで年金改革という錦の御旗のもと、いったい何が繰り広げられてきたのか?国民の不安を募らせる年金ブームを煽ったのは誰か?改革を先送りする年金官僚は、この国の年金制度をどうしたいのか?20年以上にわたり年金問題を取材し続けてきた『週刊文春』記者が、政治とメディア、そして巨額の積立金に翻弄されたエリートたちを描く渾身のノンフィクション!

目次

序章 元霞が関トップの“遺言”
第1章 まやかしの「100年安心」
第2章 小山学校
第3章 年金局長の野望
第4章 河童の涙
第5章 年金不信の正体
第6章 大蔵省資金運用部
第7章 民主党年金改革の蹉趺
第8章 GPIF改革の真相
終章 残された者たち

著者等紹介

和田泰明[ワダヤスアキ]
1975年生まれ。広島県出身。1997年岡山大学法学部卒業後、山陽新聞社入社。上京後、大下英治事務所を経て、『週刊ポスト』記者に。2004年5月、「小泉首相の年金未納は6年8か月」をスクープ。2005年4月から2024年2月まで『週刊文春』特派記者として、主に政治記事を担当した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

29
現役の年金受給者としては、1950年代から70年、かくも専門的で政治的なドロドロ議論の果てに今があることに感無量。100年安心年金⇒公明党の選挙対策スローガンが始まりで厚労省としてはアンタッチャブル。マクロ経済スライド⇒年金の支払い抑制策。社会保険庁⇒厚労省がコントロール出来ない特殊地方官庁。驚愕事実が次々。本書登場の関係者は嫌がりますが、公的制度をフル利用した上で、私的努力も必要なのではと思います。2024/08/20

99trough99

26
1961年の国民皆年金制度開始以降の年金制度構築に官僚が取り組むさまを描く迫真のルポ。「ベストアンドブライテスト」達による制度設計と給付開始の道のりはとても熱い官僚たちによって支えられていた。1970年以降、高齢化社会に突入した日本では、年金が政局の具になり、高齢有権者の要求に田中角栄が乗ってしまうあたりから様子が変わる。以降、グリーンピアに代表される巨大な積立金を巡る堕落とそのリセット、さらには、民主党との攻防を乗り越え現在に至る。誰もが老いる、自分事としたい。2024/11/22

koji

23
これは私の悪いクセ(相棒か!)ですが、勉強で興が乗ると「制度の歴史を知りたい」ウズウズが止まらなくなります。本書は年金に深く嵌った私にピッタリの1冊<政治、メディア、積立金に翻弄された年金制度を綿密な取材から炙り出した65年の全記録>です。本書を読めば、当然、その時々で何が年金問題の争点になってきたかが分かりますが、それ以上に命を削った年金官僚達の人間ドラマが胸を打ちます。圧巻は時の総理が「全公務員の鑑」と言い葬儀に駆けつけた、現職で亡くなった局長の壮絶な仕事ぶりを描いた「第四章:河童の涙」。名経済書です2024/09/02

Francis

22
私自身もかつてこの本の言う「現場」で年金の仕事をしており、年金不信に振り回され、最終的に職場を去った身分であるので我が事として読んだ。年金官僚の皆さんにはお会いした事はないのだが、山口剛彦さんが殺害された時、山口さんの部下だった方が同じ部署にいて「信じられない」と語っていたのを思い出した。マスコミ人としては公平な書き方なのだろうけれども、民主党が政権に就いて日本年金機構を発足させたときに首を切られた人が沢山出て、大問題になった事は書かれてないなど、「現場」に冷たい書き方なのは仕方ないと言うべきなのか。2024/06/28

awe

9
すごく面白い。年金制度というのは想像も付かないほど巨額のお金を扱うがために、本来そうあってはならないはずなのに政争の具とされてしまう。さらにメディアによるセンセーショナルな報道により沸く世論を鎮める必要も。「100年安心」がその典型である。そうした事情もあって、官僚は世に出る言葉に神経質になる。「マクロ経済スライド」なるよくわからない用語も、そうなる諸事情があったことが本書で描かれる。◆かつて年金官僚は『官僚たちの夏』的な熱い存在だったという。「小山学校」という厚労省内のベストアンドブライテストが集まった2024/09/21

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