出版社内容情報
宇宙生命はSFの魅力の一つである。地球生命と全く異なる習性やライフサイクルが説得力豊かに描かれることでセンス・オブ・ワンダーが生まれる。本邦初訳1編を含む全6編。
内容説明
深宇宙へ進出した地球人類を待ち受ける、多種多様な宇宙生命。彼らとのコンタクトこそはSFの醍醐味のひとつであり、そこからセンス・オブ・ワンダーが生まれるのだ。そうした作品の中から生物学的な面白さが秀逸な中短編を集成した。本邦初訳作1編、書籍初収録作4編、そして後に『宇宙船ビーグル号の冒険』の第1話となる貴重な原型作品を加えた、ヴァラエティに富む全6編。
著者等紹介
ヴァン・ヴォークト,A.E.[ヴァンヴォークト,A.E.] [Van Vogt,A.E.]
1912‐2000。カナダ出身。1944年以降はアメリカ市民。SFの黄金時代を築いた作家のひとり
ヤング,ロバート・F.[ヤング,ロバートF.] [Young,Robert F.]
1915‐1986。恋愛SFの名作「たんぽぽ娘」の作者
中村融[ナカムラトオル]
1960年生まれ。中央大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
56
さまざまな宇宙生命が登場するSFのアンソロジー。想像するだけで気持ち悪いような生き物もいれば、その美しさに心打たれる存在もあり…バラエティに富んだラインナップで楽しかったです。特に良かったのは『おじいちゃん』と『黒い破壊者』伸るか反るか!瀬戸際の攻防にドキドキしました。2018/01/04
sin
45
この時代のサイエンスフィクションは無邪気とも言える人類至上主義でありその範疇に於て人類の流儀を別世界で展開する。その需要から滅ぼされるものたち、摂取する為または害物として、乱獲で絶えさせてしまうのは論外だが例え人類に害を為すからといって根絶しようとする発想には開いた口が塞がらない。その行為は現実の世界でも環境に手を伸ばしている。テラフォーミングはいまだ人類が星々に至らないその腹いせのようにこの地球を自分達にとって住みやすくしようとしている、これ以上この大地に何を求めるのだろうか…2014/12/13
かわうそ
31
残り数ページでどうやってオチをつけるんだろうという状況から、宇宙生命の生態を活かして急転直下の意外な決着が提示される切れ味鋭い作品群。SFファンのみならずミステリ好きにもおすすめできそう。2014/12/22
かとめくん
30
「狩人よ、故郷に帰れ」実力はあるがコンプレックスから発揮できない主人公の成長譚。「おじいちゃん」異生命体を制御出来ているなんて過信しちゃあいけない。「キリエ」コンタクトを取れている設定が強引だが異生命体は魅力的。「妖精の棲む樹」こういう哀愁感はさすがヤング。「海への贈り物」序盤の緊張感が好き。後半はホームズの踊る人形を思い出した。「黒い破壊者」小学校で出会ったときは“宇宙怪獣ゾーン”という題だったのを思い出した。 古典的な作品群。同じテーマで最近の作品を集めたらどうだろう?比較したら面白いかも。 2015/01/09
亮人
25
いろんな星の宇宙生物と人類が接触するアンソロジー。アンダースン「キリエ」のプラズマ生命との友情の行く末、ヴァンス「海への贈り物」の海洋生物とのコミュニケーション手段の模索、あたりにセンスオブワンダーを感じた。そしてヴォクトの表題作の知的猛獣(表紙のイラストにもなってる奴)も魅力的で、これは長篇版の『宇宙船ビーグル号』も読まねば!全体としては、異質な惑星の生態系すべてを書ききろうと試みているような濃密な描写の作品が多く非常に満腹(&てこずったw)2014/12/20
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