帝国の視角/死角 〈昭和期〉日本の知とメディア

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帝国の視角/死角 〈昭和期〉日本の知とメディア

  • 著者名:坂野徹/愼蒼健
  • 価格 ¥3,740(本体¥3,400)
  • 青弓社(2014/07発売)
  • ポイント 34pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787220417

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内容説明

戦前と戦後を貫く昭和期という時代と、朝鮮・台湾・満蒙・対馬・北海道・沖縄・東京などの固有の場所を題材に、“帝国”日本の植民地へのまなざし=視角と見落とされてきたこと=死角とを明らかにして、メディアや学知と「帝国」の関係性をあぶり出す。

目次

はじめに 坂野 徹/愼蒼健
 1 「帝国の視角/死角」とは何か
 2 本書の全体像

第1章 植民地衛生学に包摂されない朝鮮人――一九三〇年代朝鮮社会の「謎」から 愼蒼健
 1 「謎」の発見と放置
 2 「謎」の科学的排除
 3 「謎」の解明と限界

第2章 大日本帝国の形質人類学を問い直す――清野謙次の日本民族混血論 アルノ・ナンタ
 1 東京人類学会の人種交代説
 2 混血論という妥協(一九二四―三二年)
 3 『日本原人の研究』と「歴史的種族」
 4 考古学から歴史学と優生学の支持へ
 5 太平洋戦争期の清野論――民族至上主義か理論的総合か

第3章 智城の事情――近代日本仏教と植民地朝鮮人類学 菊地 暁
 1 宗教人類学の形成
 2 朝鮮・満蒙の巫俗調査
 3 宗教の苦境と智城の事情

第4章 人類学者・泉靖一の〈戦後〉経験――朝鮮戦争・在日・済州島 坂野 徹
 1 戦場の隣で――対馬調査
 2 在日朝鮮人運動と人類学――東京での済州島人調査
 3 「社会的緊張」と朝鮮人嫌悪――東京小市民の人種偏見調査

第5章 沖縄の地誌研究――占領期アメリカ人類学の再検討から 泉水英計
 1 アメリカ人類学の沖縄研究
 2 日本における沖縄研究
 3 占領軍と研究者

第6章 小津安二郎と帝国史の方法――ひとつの(反)ポストコロニアル批評 與那覇 潤
 1 天津から戻った男――『戸田家の兄妹』『風の中の牝鶏』『晩春』
 2 大連に恋は消えぬ――『宗方姉妹』
 3 京城は海のかなたに――『東京暮色』

第7章 「戦後」台湾での日本映画見本市――一九六〇年の熱狂と批判 三澤真美恵
 1 日華両政府にとっての「日本映画見本市」
 2 日本映画見本市に対する批判
 3 日本映画人気の背景

第8章 「記憶の場」のエージェント――「アイヌ研究住職」と人文神オキクルミの〈昭和史〉 木名瀬高嗣
 1 トリックスター・林舜祥
 2 〈オキクルミ=義経〉説と「ハヨピラ」
 3 義経神社・平村ペンリウク・「頌徳碑」
 4 法華のトゥスクル
 5 「蝦夷始祖オキクルミカムイ」像
 6 白亜の「ピラミッド」

あとがき 坂野 徹

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