内容説明
奇妙な犬型集合知性体の星にとり残された人間の子供ふたり。対立勢力に別々に捕われ、人類のテクノロジーをめぐって抗争は激化する。一方大銀河では、強大な力をふるう邪悪意識が数多の文明を崩壊させ、機構の中枢まで壊滅させていた。虚偽と悪意の情報が乱れとぶ宇宙を、姉弟の救出にむかう人類=エイリアン共同船。だがそこにも魔の手が。絶賛を博したヒューゴー賞受賞巨篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
12
SFってのは神話だよなぁと読了してしみじみ思う。復活した疫病体は干渉しようとした神仙をも殺害し、上位際涯圏の共同体や文明を次々と飲み込んでいった。ネットは流言飛語や憶測で埋め尽くされる。対抗策を求めて、低速圏の星にいる姉弟のもとへ向かう救助船を追う3つの艦隊。人類を疫病体の手先と考え、最大規模の人類入植文明を滅ぼした自称防衛艦隊。復讐に燃えるその文明の生き残り。そして正真正銘、疫病体に汚染された艦隊群。宇宙の構造上、深部へ向かうほど自立機能系が沈黙し、速度も遅くなるため徐々に距離が詰められていく。(続①2020/11/09
ヤギ郎
10
下巻。銀河系の中心からの距離で思考のスピードが変わるというアイデアはおもしろい。ガジェットについてはうまくイメージできなかったので、よく分からずに読み進めてしまった。再読したい一冊。2022/01/24
スターライト
6
下巻読了。大満足の作品。こんな奇想を堂々と設定したうえ、波乱万丈のストーリーに仕立て上げるヴィンジの手腕に脱帽。鉄爪族内では権謀術数が渦巻き、彼らに「かくまわれた」姉弟の運命にハラハラドキドキしながら、その二人を救出に向かうラヴナとファムの対立。急速に迫る敵艦隊。幾重にも連なるプロットが、最後に見事な着地を見せるところは、さすが。未読の人には、ぜひ薦めたい作品。2013/05/07
あちこ
5
スケールが桁違いすぎたのか、奇形体への対抗策は「それでいいのか……」だったど、気持ちの始末と鉄爪族、ライダーたちへの決着としてはすっきり。とにかく、設定と中盤以降の展開が面白かった。ブルーシェルがかっこいい!2014/04/10
しまっち。
4
宇宙空間も人型以外の生物も概念も、どうにも頭の中で形にできるほどのイメージが浮かばなくてなかなか入っていけなくて少々読み進むのに苦労する。わたしにはちょっと追いつけないSFだったな。2018/09/11
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