出版社内容情報
人工知能を研究しているダイアー博士は、研究中止命令の内示を受け愕然とする。月面の工事現場で、コンピュータが勝手に下した誤った判断のため、大事故が発生したのだ。人工知能に仕事を任せる事の是非をめぐって論議がわき起こる。そのときダイアーが提案した実験とは。ハードSFの第一人者の巨編!
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデキ
56
コミック版は、以前に読んでましたが、 原作は、初読でした。 AI研究者の方が、割と読んでいて なるほどなあと思いました。 自分の頭の中でここに出てくるコンピューターが、AIと結びつかなかったのに今さらびっくりしています 「本能」を組み込んだAIってどうもイメージできなくて コンピューターが、人間をどう認識しているかもすごく気になります2024/05/17
おたま
52
『AIを生んだ100のSF』に取り上げられており、何人かのAI研究者が影響を受けたと述べていたので読んでみた。1979年に発表された本だが、かなり正確に現在のAIの可能性を言い当てている。特に前半で描かれる、人工知能の育成のところや、自己学習能力をもつまでのところは、現在の研究者でも頷くだろうし、書かれている取り組みは極めて興味深いものとなっている。問題は、そのAIに生存本能=自己保存能力を育成したときに、果たしてどうなるか? ここではそうした生存本能をプログラミングするとともに、強烈な負荷をかけてみる。2024/07/27
bookkeeper
41
★★★★★ 再読。AIは生活インフラを委ねられる程信頼出来るか。これを検証する為の負荷実験場はスペースコロニー「ヤヌス」。人類の未来は安寧と発展か、それとも機械による種の殲滅か。 空前絶後のスケールと深遠なテーマ性が際立つSFの傑作。ヤヌスの見取り図がでる中盤まで我慢すれば、あとは一気読み!コロニーを舞台にマシンと戦争…ワクワクが止まらないでしょ。しかし、仮想世界をシュミレートするにはコンピュータのスペックが足りないのでコロニーを使おうって発想が豪快です。 「もうすぐ、スパルタクスも故郷に帰るのだ」2019/07/12
kero385
25
思うことがあり、J.P.ホーガン著「未来の二つの顔」を読んだ。 この小説は、人間とAIとの関係をテーマとしたハードSFの傑作。今回はSFとして限定せず、文学的視点からこの作品に挑んでみたい。 まずネーミングが素晴らしい。舞台となるのは月の資源を利用し、独立した環境をなす自立可能なスペースコロニー。その名は「ヤヌス」。ローマ神話に登場する二つの顔を持つ神にちなむ。これは、表題とこの小説の結末を暗示する。その「ヤヌス」に構築されたAIシステムは、「スパルタクス」と名付けられている。2025/07/18
hisa_NAO
23
人類が月にまで生活圏を広げた2028年が舞台。急速に発展するコンピューターAIは自意識を持つのか?人類に反抗するのか?。では、実験で確かめてみましょうって話。 フランケンシュタイン以来の古典的テーマに説得力ある合理的回答を与える、ハードSF。根源に流れる、科学に対する楽観的理想論。人類の未来に対する信頼。ちゃんと小説としても面白くて、何度も読んでる、大好きな一冊。2019/01/19
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