創元SF文庫
トリフィド時代 - 食人植物の恐怖

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488610012
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

216
不気味な物語だった。 SFとは言え、食肉植物トリフィドとの戦い という設定は怖く、闇の中を 目的もなく ひたすら 進む感覚である。 人間対 トリフィドという構図よりも、 トリフィドにより 破滅させられた 人間たちの姿を主に 描いているが.. 最後は 将来に希望を抱かせるような 終わり方だった。2017/06/21

ケイ

140
「人間が自ら作り出したもので自らの破滅を招くが、決してすべてがやられるままになるわけではない」というテーマで書かれるSF作品は多い。もうだめだと立ち尽くし、手をこまねいて運命に逆らわずにいくか、少ない可能性と次々とくる苦難にも立ち向かい未来を信じ新世界を築いていくのか、それを作者たちは描く。その中にあって『トリフィド時代』の特異なところは、破滅がダブルでやってくるところだろう。敵がわかっているようで、実は原因も正体もわからない。恐怖が少しずつ来るときには、その事態を受けとめられるかのような心理が巧妙。2017/06/15

まふ

109
未来のある時期、地球が大流星群の只中を通り過ぎ、その素晴らしいパノラマを直接目視した地球の民が全員視力を失った。一方、植物油採取のために栽培していた「トリフィド」という三本足の動く植物が野放しになり、人を襲い始めた。盲目になった人間は少数の「目明き」の人間の配下に置かれる社会となる。主人公の生物学者ウィリアム・メイスンは攻撃的なトリフィドと戦いつつ人類が生きのびる方策を模索する…。「歩く植物」という奇想天外な発想がユニークだ。これぞSFらしい「本格的SF」ではなかろうか。G660/1000。2024/12/04

流言

60
古典SFではあるが、それ以上にエンタテイメント性に富んだパニック・サバイバル小説。一夜にして世界を変貌させてしまった「緑色の流星」。そして人間に文字通りの意味で牙をむく食人植物トリフィド。偶然にも惨禍を免れたビルが静まり返った世界を手探りでさまよう際の緊張感に破滅型SFの醍醐味がこもっている。この現象はヨーロッパだけなのか、全世界に及んでいるのか? 盲人だらけの閉ざされた世界で、それぞれの考える正解へ向け、躊躇なく尽力していく人たち。登場人物が衝突しつつも考えられうる最善の行動を取ろうとしている点がいい。2014/06/29

ちえ

45
1951年作の古典的破滅SF。子供向きの本を読んだ記憶があるが、原作ではトリフィドとの戦いよりも崩壊していく世界での人間の様子、生き延びるため何を選ぶか複数のグループの政治システムの違いにより筆をさいて描かれている。訳は古いが文章も驚くほど詩的。 期待以上の面白さ。最後「流星群」と「トリフィド」が何故起こったのかチラリと示唆する内容、決して楽観できないけれど希望があった。トリフィドというのを変えれば(ウイルス、地球外生命体、ゾンビ…)今でも通じるだろう。◆ガーディアン選書10002022/07/31

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