創元推理文庫
アンヌウヴンの貴公子―マビノギオン物語〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 278p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488579036
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ダヴィドの大公プウィスは冥界の王に助けを求められ、王の宿敵と闘うために、互いの体を交換して冥界へ乗り込む。ファンタジー界の重鎮が描く、傑作神話ファンタジー第一話。

内容説明

ダヴェドの大公プウィスは、狩りに訪れた森で冥界の王アラウンに出会い、彼にかわって冥界のもうひとりの王と戦ってほしいと頼まれる。だがそのためには互いの身体を交換して相手の領地に行かねばならない。プウィスはアラウンの身体を借り、冥界に乗りこむが…。世界幻想文学大賞で生涯功労賞をうけたファンタジー界の重鎮が描く、神話ファンタジーマビノギオン物語第一話。

著者等紹介

田村美佐子[タムラミサコ]
1969年生まれ。上智大学大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mocha

74
ウェールズの神話・伝説である『マビノギオン』を再構築した物語。原典を知らないので、どれくらい肉付けしてあるのか分からないけれど、唐突な展開や台詞回しが“神話”という感じ。世界に入り込むのに難儀して、終盤ようやくリズムに乗れたかな、というところ。次巻へ手を出すのがちょっとためらわれるが、このリズムのまま行くべきか、うーん…。2015/12/24

りー

25
ウェールズの神話伝承「マビノギオン」を物語化した作品。主な舞台は4~6世紀のウェールズ。訳者解説によれば、原典は大きく分けて「マビノギ4枝の物語」「アーサー王宮廷の3つのロマンス」「カムリに伝わる5つの物語」の3つに分かれていて、この巻は「マビノギ4枝の物語」のうち「ダヴェドの大公プウィス」を扱っています。冥界の王の友になって冥界で敵と戦い、「まばゆき光の国」で女神の娘にして女神その人である美しきフリアノンを妻とする、プウィス。女神信仰が既に古いものになりつつまだかすかに残っている世界を楽しみました。2021/10/23

馬宮

12
ウェールズの古典神話、マビノーギを物語仕立てにした長編小説の第一枝。原典訳を読んでから読んだのだが…ここまで原典に忠実に、物語に仕立てあげることがすごい!プウィスは【バカ正直で誠実】な印象くらいしか受け取れなかったが、この本では【勇猛かつ人間らしい】性格を持った青年…という等身大のプウィスの姿が見れて、彼のことをもっと好きになった。中世以前ケルトの神話世界は中々想像がつかないが、この小説で読むとまるでモノクロ写真に色がついたようだ…。ところで、一番重要なプリデリの下りは?!2022/08/03

星落秋風五丈原

11
常世の王の3つの試練を乗り越えて死の王を倒す物語と嫁取り物語。女性達は男性に優しい。フリアノンは人間の王プウィスと結婚することで永遠の命を失うにも関わらず彼と結婚し「これからいろいろと学ぶでしょう」とまるで息子をいとおしむ母親のように告げる。但しこの婚礼、すんなり進むとは思えず、策略によって一度は手にした花嫁を奪われた神の復讐の言葉や、遂に慣例を守らなかったプウィスに対するドルイドの呪いの言葉など、先行きの暗雲を予測させる要素がてんこ盛りであり、続きを読みたくなる気にさせる。 2014/06/20

鳩羽

7
中世ウェールズの神話・騎士物語であるマビノギオンの中から、マビノギ四枝の物語のエピソードをもとに読みやすく膨らませた四部作の一冊目。大地や女神との繋がりを重んじた旧き民は追いやられ、新しき民にその信仰までも蹂躙されつつある。彼らを許し、包み込むように見守る女神やその眷属は美しく、力があるが、新しき勢いにはやはり勝てないものなのかもしれない。とにかく主人公のプウィスがいつもむらむらしてるのにちょっと笑ってしまう。2014/07/14

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