出版社内容情報
知人の死を経験した人に贈る感動のメッセージ。
大切な人を喪うときは、すなおに「さよなら」を贈ろう。そうすれば必ずまた会える……。知人の死を経験した全ての人に響くメッセージ。
私たちはどうして死について話すことができないのだろうか? 悲しみの経験を語り合うことによってこそ癒され、死んだ人との関係を築きなおし、生きている人同士が結びつくのだ……。著者はこの考えをもとに、時折ユーモアさえ交え、自らの喪失についての体験を語る。うすれゆく意識の中で自ら死を選んだ父、アルツハイマーのためにホスピスで徐々に亡くなった母、ガンに冒された親友。そして不思議なことに、死にゆく人とともに過ごした場所ではしばしば奇跡が起こり、素直に「さよなら」を告げることができた相手は、必ず何かに形を託して戻ってきたのだった。
▼特別な人を亡くした人には慰めを、天に帰りつつある知人を持つ人には『さよなら』の言い方を、死をあまり身近に感じたことのない人には死という「かけがいのない贈り物」への洞察を与えてくれる、すがすがしいノンフィクション・エッセイ。入江真佐子の名訳を静かに味わって下さい。
[序章]死について語り合う
[1]消えゆく母
[2]死者との再会
[3]思いがけないつながり
[4]思い出すことの大切さ
[5]死をものともしないユーモア
[6]死の床で陥りがちな過ち
[7]夢 ほか
内容説明
私たちはみんながいずれは死ぬというのに、どうして死について話すことができないのだろうか?終末期のケアは、ここ数十年ほとんど進歩していない。死の床にいる友人や悲しみに暮れている家族を前にして、あなたを導いてくれる計画書もなければ、祈りの言葉もない。はりさけそうな心の痛みや、とほうもない喪失感は、たったひとりで胸にしまい、克服していかなければならないのか?そうではなく、悲しみの経験を語り合うことによってこそ癒され、死んだ人との関係を築きなおし、生きている人同士を結びつけるのだ。この考えをもとに、著者は自らの喪失についての体験を語る。自殺した父、アルツハイマーのためにホスピスで徐々に亡くなった母、ガンで亡くなった親友―死にゆく人とともに過ごす場所では、しばしば奇跡すら起こり、霊的なエネルギーが満ちていた。本書は、特別な人を亡くした人には慰めを、死をあまり身近に感じた事のない人には、人生のかけがえのない贈り物について深い洞察をあたえてくれることだろう。
目次
死について語り合う
消えゆく母
死者との再会
思いがけないつながり
思い出すことの大切さ
死をものともしないユーモア
死の床で陥りがちな過ち
夢
かけがえのない一刻一刻
不自然な喪失
難病とともに生きた友
死を受けいれる子供たち
霊的な体験
慰めをもたらすもの
劇的な蘇り
著者等紹介
コッブ,ナンシー[コッブ,ナンシー][Cobb,Nancy]
ペンシルヴァニア州ピッツバーグに育つ。アーティスト、作家、詩人を対象に取材するジャーナリスト
入江真佐子[イリエマサコ]
国際基督教大学教養学部卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。