内容説明
アン=デシャは困惑していた。“隼殺し”から解放されたものの、自分の中にまだ奴が隠れているのではないかという疑念に苛まれていたのだ。そのうえ助けてくれた“炎の歌”と恋仲になってしまった。そんなとき、ヴァルデマールを魔法嵐が襲う。ハードーン国の背後には、強大な魔法の力をもつ皇帝が治める“東の帝国”がいたのだ。名手ラッキーの“ヴァルデマールの嵐”第1部。
著者等紹介
山口緑[ヤマグチミドリ]
1958年京都生まれ。同志社大学大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アイゼナハ@灯れ松明の火
23
戦争のための同盟かと思ったら、力を合わせて大災害に立ち向かう話になるんだね。しかし、シリーズ通して、こんなに素直で前向きな主人公って初めてな気がする・・・カラル君、よくぞ踏張った。君は立派です。お兄さん(?)応援しちゃう。新たに登場した〈火猫〉のアルトラもいい感じ。アン=デシャもようやく本領発揮といったとこですが、本格的な活躍は第二部からなのかな。続きが待ち遠しいです。2010/08/02
すけきよ
8
これまでの主人公たちも出てくるけど脇役であり、焦点はカラルのカルチャーショックと成長に絞られているため、ここしばらくの三部作によく見られた薄い群像劇とは違って、主人公一人を十分に追っていて楽しめる。物語は〈東の帝国〉との戦争になると思いきや、未曾有の災害への対応に東奔西走するというのも今までになかったパターン。しかも、初登場と言っても過言でない技術者集団が活躍するのも『プロジェクトX』好きとしては嬉しい(笑)もしかしたら、今までで一番面白いかも。少なくとも、次巻が楽しみ。2010/08/10
Tatsuya
5
カラルの「ぼくたちカース人が、長い間ヴァルデマールに対してしてきた間違いを犯さないで欲しいんだ」という台詞に彼の成長の全てが凝縮されているな、と感じた。非常に面白かった。『裁きの門』あたりで「共に歩むものとレイシーア=イーのカル=エネイドゥラルの性質が似てる」というような記述があって、その時は意味がわからなかったけど、カースの火猫の出現で何となく理解できた。今後、帝国とどうなっていくのか、続きが楽しみ。2010/10/24
かける
5
カラルの成長をみているのは楽しいな。火猫アルトラは最初神秘的なものかと思ったらすごく人間味あふれる描写がでてきてかわいらしく思った。すごく次巻が読むのが待ち遠しい。2010/09/09
kogiku
5
敵はそっちか、というのが実に予想外だった。この困難を乗り越えて全てが変わっていくんだろうな。とりあえずカラルがんばれ。2010/08/23
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