内容説明
ぼくはシェップ。自分でいうのもなんだけど仕事熱心な牧羊犬だ。飼い主はボス。怒りっぽいし、ちょっと分別がたりない。でもぼくはボスが大好きだ。牧羊犬競技会に出たり、美女に誘惑されたり、あやしい男に誘拐されたりと、ぼくの毎日はとても刺激的で忙しい。アイルランドの田舎町を舞台に、個性的な犬たちと、少々変わってはいるが、心優しい人間たちが繰り広げる愉快な物語。
著者等紹介
務台夏子[ムタイナツコ]
英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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seacalf
42
アイルランド旅行の思い出の風景と言えば、至る所で見かける黄色いハリエニシダの群生と、どこまでも延々と続く羊の放牧地だ。スラップスティック・コメディーは大好物だし、的外れな行動をしつつも憎めない愛すべきキャラ達も大好きなんだけど、いまひとつ。訳者にアイルランドへの愛情があまり感じられなかったからかな。あまりアイリッシュっぽくないというか。今年はウイルス対策で恒例のアイルランドフェスは中止。その鬱憤を晴らすべく読んだのだが、代わりにブッシュミルズを飲もう。主役の牧羊犬シェップはとてもキュートなんだけどね。2020/03/09
ゆーかり
21
「わたし」はボーダーコリーのシェップ。アイルランド西部、ゴールウェイ州クールコフィンの農場でボスに飼われていて、色々仕事をさせてもらってる。競技会(トライアル)に出る事になって、色んな犬たちと話したり、美人の悪犬に惑わされたりもして…。犬目線で描かれたアイルランドの田舎の人&犬たちの生活が楽しい。本当にシェップが書いているみたい。誘拐された時は心配したよ。原題One Dog, His Man and His Trialsは、BBC2の人気長寿牧羊犬競技会番組One Man and His Dogのもじり。2019/11/17
*asami*
16
ボーダー・コリーのシェップ視点で語られるお話。牧羊犬競技会に出たり、偏屈な飼い主や、クセのある美女犬達に振り回されたりと、騒がしくも楽しそうな様子が浮かぶ。動物目線のお話はやっぱりかわいい!2016/03/31
本木英朗
15
アイルランドの現代犬小説家のひとりである、マージョリー・クォートンの長編のひとつである。俺は2007年に一度、読んでいた。アイルランドの田舎町を舞台に、個性的な犬たちと、少々変わってはいるが、心優しい人間たちが繰り広げる愉快な物語である。2回目であるが全く覚えていなかったので、本当に面白かったです、ハイ。「世界中の犬と犬好き必読!」という言葉そのものだよね、ウフフ。でも1回目の感想の方がよかったので、みんなそっちを見ようぜ! https://bookmeter.com/reviews/1263975572025/03/02
本木英朗
14
アイルランド東部生まれの優秀な牧羊犬シェップの視点で、彼の飼い主のボスやその奥さん、周辺に暮らす人々、血統書付きの犬や雑種の犬などとの交流や、彼がめぐり合う様々な事件が描かれる。 変な言い方になるが、これはごく普通に楽しめる、想像通りのユーモラスな動物視点小説だった。シェップは牧羊犬としては確かに非常に優秀で頭もいいのだが、本人も含めて周りの犬からはあまり高く評価されていないようで、人間と犬の基準のギャップが面白い。 (→)
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