出版社内容情報
クトゥルー神話の創造主にして20世紀最高の怪奇小説家ラヴクラフト。本書には、ランドルフ・カーターを主人公とする一連の作品、および、それと関連する初期のダンセイニ風掌編を収録。猫を愛する読者なら快哉を叫ぶ佳編「ウルタールの猫」、神々の姿を窺わんとする賢者の不敵な企てを描く「蕃神」、巨匠が遺した最大の冒険小説「未知なるカダスを夢に求めて」等全9編は、諸氏の魂を電撃のごとく震撼するであろう。訳者あとがき=大瀧啓介
目次
「白い帆船」
「ウルタールの猫」
「蕃神」
「セレファイス」
「ランドルフ・カーターの陳述」
「名状しがたいもの」
「銀の鍵」
「銀の鍵の門を越えて」
「未知なるカダスを夢に求めて」
内容説明
20世紀最後の怪奇小説作家H.P.ラヴクラフト。その全貌を明らにかする待望の全集―本巻には、作者の分身たるランドルフ・カーターを主人公とする一連の作品、および、それと密接に関わる初期のダンセイニ風掌編を収録した。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
133
-ウルタールの猫-少年の飼い猫が行方不明になって、老夫婦を疑い、異教の神に祈りを捧げる。すると…ありがちな話ですが、考えると恐怖ですね。 -蕃神-「蕃神」の意味がわからない。うまく訳せなかったのかな。賢者を探すが、見つからない。で?どうなった? -未知なるカダスを夢に求めて- 異世界を探検するといえば、面白そうだけど、これが翻訳物の欠点か、読みにくい。しかも、地名も異様な怪物も、馴染みがないからイメージがわかない。これは、この作家の小説をあまり読んだことがない人は、かなり読み終えるのに根気がいるかも。 2020/09/18
藤月はな(灯れ松明の火)
113
「可愛いだけじゃなくて、実は猫の残酷で恐ろしい所も引っ括めて大好き」な猫好きは必読な「ウルタールの猫」。そして作者の分身、ランドルフ・カーターシリーズはダンニセイ風味だけじゃなく、ラブクラフト自身の悪夢も背景にあるのでより、幻想的で恐ろしいものとなっている。特に「銀の鍵の門を超えて」は異界のモノとなった人物に衝撃を受ける。しかし、「未知なるカダスを夢に求めて」で恐ろしくも美しい異界からニューイングランドへ引き戻される予定調和で悪夢から目覚めるようなラストはラブクラフトがピューリタンであったからかな?2017/09/19
Bugsy Malone
58
夢の国の話とランドルフ・カーター物の第6巻。「白い帆船」に始まり猫が怖い「ウルタールの猫」他6編と続いて行き、敢えて執筆順ではなく集大成の様な冒険譚「未知なるカダスを夢に求めて」を最後に読ませる所は流石です。それにしても食屍鬼の義理堅さと夜鬼の忠実さには驚かされた。2016/03/03
財布にジャック
56
あら?今回あまり怖くないです。6冊も読むと怖いのって慣れるものなんでしょうか?いや、そうではないようです。今回の巻のメインのランドルフ・カーターを主人公とする一連の作品は、ホラーというよりはファンタジー要素が強いようです。はらはらドキドキの冒険小説でした。そして、今回は猫の登場する作品が複数あって、猫率が高かったのが嬉しいオマケでした。2010/12/06
KAZOO
46
むかしからこのような感じの小説が好きでした。日本にはない分野の小説ですよね。妖怪とも異なるし、お化けとも違う。別の世界があって、アマゾンの半魚人のような怪物が出てきたり、魚臭い人間がいたり。半分SF的な世界なのでしょう。コミックで読んだりしてラヴクラフト全集に戻ってしばらくぶりに読みましたが、創造力が掻き立てられて自分で怖い世界を作り上げてしまうような感じです。やめられない。2014/09/12