内容説明
殺害された少女がまとっていたのは、ローティーンに人気のジュニアブランドだった。被害者がそのブランドに夢中だったことに、いち早く気づいた少年課の刑事・白石理恵は、特別に捜査に加わることとなる。そのブランドの服を着た少女に執着する男の犯行、と見た捜査が行き詰まる中、第二の事件が発生。ブランド側の思惑も絡まり事件は思わぬ展開を見せる。華やかな警察小説登場。
著者等紹介
永井するみ[ナガイスルミ]
東京生まれ。東京芸術大学音楽学部中退。北海道大学農学部卒。1995年第2回創元推理短編賞に「瑠璃光寺」を応募し最終候補に。96年「隣人」で第18回小説推理新人賞を受賞、同年『枯れ蔵』で第1回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シーズー
6
高級ジュニアブラントを身につけた少女達ばかりが殺されていく。ジュニアブランドに走る彼女達の気持ち、母親の気持ちなど、女の子をもつ母親としては、全く分からなくもないが、やっぱりちょっと普通じゃない感じ。殺人事件の行方も気になりながら、こちらも興味深かった。娘を亡くした栞や、終盤に向けてたくさんの謎をちりばめつつ、犯人はまったく予想してない人で唐突感もあったし、結末は、色々と気になるところも残ったが、面白かった。2012/10/25
詩界 -うたか-
5
#読了 初読み作家さん。誰かが書いていたから。殺害された少女がジュニアブランド「プリムローズ」の洋服を来たことから大騒動が起きる。子供には高くセーター1つに3万は優に超える。中高生が着る洋服にしては高く、売春説まで持ちがありテレビや週刊誌は加速し、ブランドは巻き込まれていく。一体誰がなんのために…少年課に務める白石理恵が奮闘する。警察小説と後ろには書いてあるが、あまり警察小説感はなく、犯罪小説に近いイメージでした。2019/10/23
hiichi
5
ジュニアブランド、クリーニング、事故、殺人事件。最後はノーマークな犯人で、多少拍子抜け。やりたい仕事と、辛い恋愛の狭間で揺れる晶子の心理描写にかなり感情移入してしまいました。人間の欲深さ、歪んだ人格形成、繊細な表現は圧巻。2013/05/31
なっく
5
永井するみの作品には外れがない。 背景となる業界の調査も怠りなく、各登場人物の性格や心理描写も丁寧、ストーリーのダイナミズムも適度で、思いっきり作品の中にのめり込むことができる。 ここ最近では一押しの作者さんです。 これを殺人事件犯人当てのミステリーとして読むと物足りない人もいるかも知れない。 本当に怖いのは人間の欲とわがまま。 その怖さを楽しむという意味でのミステリーでは、文句なしに一流だと思う。2008/07/04
ちかすけ
3
ジュニアブランド、プリムローズの服を身に纏った少女を狙った連続殺人事件を、多視点で追うミステリ。展開が二転三転として、どういう結末を迎えるのか、読みながらドキドキしました。ラストは少々唐突かも、とは思いましたが、意外性もあり、かなり夢中になって読みました。ドラマ映えしそうな作品。2010/10/29