内容説明
流感警報発令中。続出する病気欠勤に、ここデントン警察署も壊滅状態。それを見透かしたように、町には中傷の手紙がばらまかれ、連続老女切り裂き犯が闇に躍る。記録破りの死体の山が築かれるなか、流感ウィルスにも見放された名物警部のフロストに、打つ手はあるのか?日勤夜勤なんでもござれ、下品なジョークを心の糧に、フロスト警部はわが道をゆく。大好評シリーズ第三弾。
著者等紹介
芹沢恵[セリザワメグミ]
成蹊大学文学部卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
あつくなれ!!本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
420
相方役の部長刑事は今までで一番好きなキャラかもしれない。忙しさの合間に婦警といちゃつこうとしてフロストに邪魔される前二作とちょっとパターンを変えてきた感じ。最後までフロストに呑まれないで終わるというのもいいのではないか。フロストのフロストらしさも堂に入ってきた感があり、ドジやマヌケにも貫禄が出てきてしまっているので、次作からはさらに予想の斜め上をいくドジを踏んで欲しいと思う。事件のひとつひとつには各作品とも質のバラツキはないので、本当に安心して読める。いよいよここからは未読の作品になるので楽しみ。2017/07/22
Kircheis
370
★★★☆☆ フロスト警部シリーズ第3作目。 今回のフロストの相棒は部長刑事のギルモア。これまでのパートナーの中では唯一の既婚者で、1番存在感がなかった。フロストらは相変わらずの長時間勤務で読んでるこっちも眠くなる笑 複数の事件を抱えつつ、直感とセンスでその全てを解決していくフロスト。しかし、唯一スッキリ解決したコンプトン夫妻の事件は見え見えの真相だし、本筋であるポーラ殺しと老女連続殺人はほぼ直感と違法捜査のみで解決しており、あまりすっきりはできなかった。 それと歴代パートナーのその後が気になる!2023/06/15
セウテス
97
【フロスト警部シリーズ】第3弾。〔再読〕784ページ、2冊に分けるべきだと主張したい。今回も様々な事件が平行して起こる中、たちの悪い風邪が流行りアレン警部以下署内の大多数が病欠状態。新たにフロストの相棒として、ギルモア部長刑事が赴任してくるが愛妻家のギルモア、フロストに巻き込まれ昼も夜も勤務状態で家庭内は大荒れとなる。今回も驚異的な忙しさで、労基法など関係なしのカオス状態が、何故面白いのか本当は理解出来てない。フロスト警部にしても、実はいい人と思ってしまう自分がいて、巧く煙に巻かれているだけかも知れない。2020/10/22
GAKU
91
フロスト警部シリーズ三作目。文庫本1冊で700頁を超えるボリューム。けれど長さを感じさせない面白さ。一作目ではそれ程でもなかったのだけれど、回を追うごとにフロスト警部の下品なジョークと、自分勝手な捜査に嵌ってしまいます。今回も次から次へと事件が発生。マレット署長の指示などクソくらえ、自分の直感のみで不眠不休で突き進むフロスト。いつも引っ張り回される、赴任したばかりの相棒刑事と署の刑事達。惜しむらくはこの作者すでに亡くなっており、このシリーズも残すところ後三作。残りも大事に読んで行きたいと思います。⇒2017/10/16
オーウェン
76
今作も多くの事件がデントン警察署に降りかかる。しかも流感のせいで、大半の刑事が欠勤。フロスト警部をはじめ少数の刑事で、多数の事件に取り掛かる。中でも老女を切り裂いていく連続暗殺事件が中心。一体何人死ぬのかというぐらいに死体の山。しかも陰惨な殺しの内容であり、猟奇的とも呼んでいい。フロスト警部が被害者に聞き込む時に下世話な言い方をするが、その答えがこの本のキャラを表している。悲惨な事件の中でフロストの毒気が無かったら、このムードは出せない。 次回からは上下巻仕様で、さらに多くの事件がフロストを待ち受ける。2022/03/23