内容説明
寝たきりの母をひとり世話する老女。この親子がかつて交わした約束とは?皮肉な運命が待ち受ける「死ぬにはもってこいの日」、隣家の裏庭に空飛ぶ円盤が?深夜の奇妙な電話から始まる「逞しい肩に泣きついて」、ある一家に訪れた思いも寄らぬ出来事が、思いも寄らぬ感動を呼ぶ「奇跡」など、著者のシニカルな視線が世の悲喜劇を描き出す、ひねりのきいた傑作全十三編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
20
フレムリン女史晩年の短篇集、13篇収録。ご家庭のイヤミスを得意とされる先生ですが、晩年ということもあるのか老化、介護ネタがキツイw 語り手の一人称でこれでもかーと嫌な状況に追い込みます。その一方で嫌な奴はいっぱい出てきますが、完全な悪党となると殆どいないんですね。解説にも書かれている作者が人間を信じていないけど愛しているという事でしょうか。個人的なお気に入りは最後のオチが最高に好きw「高飛び込み」、洒落にならない親の介護「死ぬにはもってこいの日」、女泥棒のユーモラスも最後物悲しい「ボーナス・イヤーズ」。2019/06/19
Kitinotomodati
2
初読み作家。シニカルな落ちの短編集で、長編にも興味が湧いてきた。「夏休み」の主人公の気持ちがよく分かる。「高飛込み」は日常的に起こってそう。2019/12/04
C.naka
2
短編集。皮肉が効いてるかんじ。高齢者介護の話は今後皮肉じゃなくリアルに起こりそうと思った。 2018/01/14
タカギ
2
短編が13編。ブラックな話が多い。ドメスティック・サスペンスというらしい。ドメスティック=家庭的なという意味。最初はあまり楽しめなくて、ちょびちょび読んでいた。『夏休み』が好き。それ以降は一気に読んだ。2014/05/18
まある
1
ひねりのきいたミステリ短編集。親しい人間関係にひそむ策略や裏切りに、じわっとくる怖さを感じました。解説によると、著者は「ラブリーなおばあちゃま」。読みやすい訳のものと、少し気になる訳のものがあるような気がしました。2018/03/28