出版社内容情報
2人の少女がタクシー運転手を襲った。反省の色もない少女たちの態度に、違和感をおぼえるヴァランダー。だが、その一人が逃亡したことで、事件は意外な展開を見せ始める。
内容説明
19歳と14歳の少女がタクシー運転手を襲う事件が発生。逮捕された少女たちは金ほしさの犯行だと自供、反省の色はない。あまりにふてぶてしい二人の態度。尋問の席で母親を殴った少女に腹をたてたヴァランダーは思わず彼女に平手打ちを食らわせてしまう。ところがその瞬間の写真を新聞に掲載されてしまったのだ。孤立感に苛まれるヴァランダー。北欧ミステリの巨匠の傑作シリーズ。
著者等紹介
柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業、ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
144
「スウェーデンは金のある連中が外国へ逃げ出すような国になってしまったのだろうか?」人権尊重で男女平等な国という印象のスウェーデンだけど、中では色々不満があるのね。「おれがほしいのはいっしょにいてくれる女性。…おれが求めるときにそこにいてくれる人。おれが一人でいたいときに一人にしてくれる人だ。」ヴァランダー、結婚に向いていない。同じことを相手の女性に求められたら、何て答える?2021/04/01
ケイ
135
たまに精神のバランスがおかしくなるヴァランダーを見守りサポートするのがマーティンソン一人になっているのがさみしい。他からの援護射撃があるにしても。今作においても、アフリカやアジアの国なども関連する国際的事件に巻き込まれるイースタの街。国際的犯罪にふさわしくITも絡む。衝撃的な少女による初老のタクシー運転手殺害が目立たないほど、色々起こるややこしい展開に。感想は下巻で。2018/08/05
KAZOO
90
タクシー運転手殺人事件かと思いきや、さまざまな事件が起こってどんどん深みに入っていくような感じがします。ボッシュシリーズとはまた異なった感じで面白さがあります。現代の世界の状況を取り入れてITの世界などのかかわりや人間関係のわずらわしさなどをうまく描いています。2015/06/29
巨峰
85
クルト・ヴァランダー警部8作目。19歳と14歳の少女によるタクシー運転手強盗傷害事件が、運転手の死により強盗殺人となる。少女を殴ってしまうヴァランダ―警部、少女の逃亡、突然の大停電、マンケルの筆は少女の行先についても容赦ない。着地点が上巻の時点では全くわからない。インターネットで世界が繋がる新しい時代の犯罪を描こうとしているのだろうか。2019/01/25
タツ フカガワ
68
ITコンサルタントの男が深夜の散歩中に急死したころ、19歳と14歳の少女がタクシー強盗殺人で逮捕される。少女たちは犯行を認めたものの反省の色は皆無。さらに警察署から19歳の少女が逃亡、この後事件の様相が一変する。寝る間もないほど忙しい中《結婚は望まないが愛のあるつきあいを望む》と相手探し仲介所に投函するヴァランダー。コラコラと突っ込みながら、そんなオヤジに魅せられて読み続けるシリーズ8作目。期待を裏切らない面白さで下巻が楽しみです。2023/09/23