内容説明
夜の張りこみのさなか、ライアンとグレゴリーは、棺を運ぶ葬列さながら、三つの人影がドラム缶を川に沈める光景に遭遇した。夜が明け水底を探ったが、見つかったのは古びたゴミバケツだけ。ところがその中から、失踪していた悪徳警官の白骨死体が転がりだす。ニューヨーク市警組織犯罪部の対照的なふたりの刑事が、湾岸地区に埋もれた犯罪を追う。哀歓のにじむ警察小説第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akane
2
作者自身ニューヨーク市警で20年間勤めた経歴があるだけに、刑事ならこう動く、といった本職ならではの視線も面白いし、何より物語が浮ついていない。ただ想像力をたくましくしないと、アクションのシーンなどは実感できないほどに全編をとおして落ち着いた文章、それだけに読み終わるとどっしりと心に残るものがある。相棒刑事との台詞のかけあいや、語り手刑事の夫婦愛もほろ苦くてしっとりと甘い。移民の歴史を持つアイリッシュという要素に、時代背景の描写も加えて物語に深みを与えている。2014/04/29
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