内容説明
ロンドンの住宅街の一角で、浮浪者が餓死しているのが発見された。取材に訪れたマイケルは、発見者の女性から意外な話を聞かされる。彼は、自ら餓死を選んだに違いないというのだ。だが、それよりも不可解なのは、彼女が死んだ男に強い関心を抱いていることだった。興味を引かれたマイケルは、この浮浪者の素性を調べ始める。“ミステリの新女王”の最新刊が文庫オリジナルで登場。
著者等紹介
成川裕子[ナリカワヒロコ]
1951年沖縄に生まれる。1975年香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
35
ロンドンの裕福な住宅街の一角で、浮浪者の餓死死体が見つかった。取材に訪れたマイケル・ディーコンは、家の女性から奇妙な話を聞かされる。男は自ら餓死を選んだに違いないというのだ。だが、それよりも不可解なことは、彼女が死んだ男に強い関心を抱いていることだった。彼女を突き動かすものは何なのか? 新聞記事のような第三者視点も交えてばらばらに見えたピースが、やがて一つの絵を描くために集まってくる。 ミネット・ウォルターズには珍しく男性視点のミステリ。2021/02/25
siva
18
うーん。なんとも言いがたい作品。読みづらくなかなか先に進まなかったが、テリーが絡みだしてから急に面白くなる。だが最後はやっぱりうーん・・ミステリというにはカタルシスが足りない。アマンダという人物が結局どんな女性なのかが掴めなかったからか。2015/10/15
ネペ
11
10年以上前に『女彫刻家』を読んで以来のミネット・ウォルターズ作品。すごく面白かった。時系列がちょっと複雑だが、最後は良かった。他のウォルターズの積読本もすぐ読むべきですね。楽しみです。2015/11/14
桂木
8
面白くはあったのだが、ちょっと盛り込みすぎた感がある。捻ったミステリ、社会格差、宗教感、家族の在り方など全ての要素を一斉に押し出したせいで複雑というよりも煩雑な印象に。特にミステリ部分はわかりにくいだけで説得力が薄い。家庭に問題があり、なんらかの形で社会からはみ出している3人が歪ながらも家族の様になっていくサブストーリーには好感が持てたし、楽しめた。初めてのミネット・ウォルターズだったのだが、2冊目はどうしようかなぁ。2020/12/28
ネムル
7
ゲイ、レイプ、家族関係といったウォルターズのテーマが、これまでの作品では奇嬌な登場人物に依りすぎて、いまいち物語としてこなれていない印象だったが、人物の造形がぐっと上手くなったな。これまでで一番面白く読んだ。その一方で、ミステリとしての核がシンプルなわりに、話はいたずらに複雑で失敗作のようにも感じられるのがな。2025/04/26
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