出版社内容情報
復活祭まで一週間。木彫りの聖人の顔が血の涙を流したり、聖人の墓で失踪していたオルガン奏者の死体を発見されたりと事件が次々と発生！ フレーヴィア・シリーズ最新刊。
内容説明
復活祭まであと少し。教会に眠る聖人のお墓が、考古学研究のため開かれようとしているところ。その発掘現場に居合わせたフレーヴィアは、地下霊廟で失踪したオルガン奏者のおかしな死体を発見してしまう。元気に調べはじめたけれど、とうとう我が家が売り出されることになってしまって…。世界中で大人気の少女探偵フレーヴィア・シリーズ、驚きの展開が待ち受ける第五弾！
著者等紹介
ブラッドリー，アラン［ブラッドリー，アラン］ ［Ｂｒａｄｌｅｙ，Ａｌａｎ］
１９３８年トロント生まれ。ライアソン大学卒業後、テレビのエンジニア、大学教員を経て、２００７年『パイは小さな秘密を運ぶ』で英国推理作家協会賞（ＣＷＡ）デビュー・ダガーを受賞。２００９年に刊行された同書は、アガサ賞、エリス賞、ディリス賞など９つもの賞を受賞する。その後は年一作のペースで、シリーズを発表
古賀弥生［コガヤヨイ］
東京女子大学文理学部英米文学科卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi（葵・橘）
39
「少女探偵フレーヴィア」第五巻。化学大好き少女フレーヴィアの知識は大人顔負けなんだけど、子供らしさも存分に持っているところが魅力的。そして今巻は聖人の遺体発掘、地下道、宝石探しetc.冒険小説風で凄く好みの展開。でも毎巻そうなんだけど、事件よりド・ルース家の経済状態や家族関係が気になって。一巻が六月で、今巻が復活祭ということで春、その間学校に行っている様子も家庭教師の存在も無くて、そこも気になるし。新しい登場人物ジョスランも謎過ぎだし。そして極めつきはお父さんの最後のセリフ！次巻読まずにはいられません。2021/11/14
寧々子
14
小賢しい語り口から浮き彫りになるのは、怖がりなところや淋しがりなところ、傷つきやすくて愛情を欲している女の子の姿！ 普段は毒薬のことを楽しそうに考えてるからこそ、そんなフレーヴィアが愛おしくてたまらない！ フレーヴィアが大胆な調査をする割には事件の真相はなかなか解明されません。 でも、フレーヴァの家族が抱える財政問題が厳しさを増すので、事件よりもそちらの方が気掛かりでした！ フレーヴィアをとりまく環境が大きく変わりそうだなと思っていたら、事件の真相よりも衝撃のある発言が最後に！ すごーく気になる！2016/04/03
himehikage
14
もう、このシリーズは安定して面白いです。謎解きなんかは本当のところどうでもよくて（なぜかその点に関してはいつも狐につままれたような気分になるので）、読めば分かる文章の随所から染み出る滋味。2014/07/27
熊猫
12
フレーヴィアがだんだん思春期になっていく。その戸惑いや苛立ちを温かい気持ちで見守れるのは、シリーズをずっと読んできた読者の特権。 今回はよよりフレーヴィアの科学知識が前面に出ていて、それが事件解決に結びつくので楽しかった！ 事件自体もきちんと描かれているしね。 そしてそのすべてがどうでも良くなるようなラスト1行！ 素でえええええええ！と声が出た。 6作目を首を長くして待つ！ 待たいでか！2014/06/20
アプネア
11
前作の閉じ込められた状況は新鮮だった。けど、やっぱ開放的に自転車をかっ飛ばす恰好の方が絵になるね・・・自尊心が高く、梃子でも動かぬ頑迷さと負けん気の強さを持つフレーヴィア。どれ程化学の知識が豊富でも、どんなに観察眼が鋭くとも、あくまでひとりの少女として描かれ、そこにこのシリーズの魅力が詰まっている。しかし本作はとうとう屋敷が売りに出される状況に至って、成長することの戸惑い、現実に向き合う痛み、そしてそれに折り合いを付ける心情の過程を丁寧に描写している。ラストには衝撃の発表があり、う～ん続きが気になる。2018/04/04
