感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
41
カーター・ディクスン、登録三十九作目。ヘンリー・メリヴェール卿の長編、十六作目。人間消失トリックがメインの作品です。伏線が丁寧に張り巡らされていて、H・Mの解決話を読み、一々頁を繰り直して納得しながら読了しました。相変わらずのH・Mのドタバタ(タクシー運転手との活劇)や女主人公と美男子とのロマンス譚と、ディクスンの世界は健在です。胡散臭い嫌な感じの登場人物は、きっちりH・Mが懲罰してくれましたしね。読後感スッキリの一冊です。2023/05/16
星落秋風五丈原
27
誤解を受けているメリヴェール卿は、別人ハーバート・モリソンに見せかけたいので、法律事務所の応接係で、休暇でタンジールを訪れていたモーリーンに、現地での臨時秘書を依頼。自分を訪ねてくる、厄介な客を追い払って欲しいのだ。ところがやはり、待っていたのは歓迎の華文字と緋毛氈。イギリス領事官員の妻ポーラ・ベントリーと、ホアン・アルヴァレス警視が待っていた。いくら有名人でも、警察が待っているのは、やりすぎでは?2025/07/08
ホームズ
16
H・Mシリーズ再読。他の作品よりも全体的に地味な感じがしてしまうかな青銅ランプの呪いや人間消失という謎はいいと思うんでうけどで。『黒死荘の殺人』や『白い僧院の殺人』の時よりもH・Mの登場が派手で良かった(笑)2012/08/06
タッキー
14
結構当たり外れのあるカーの作品の中でも、かなりな秀作で、大好きな作品をご紹介!遺跡から青銅のランプを持ち帰ったヘレン。そのランプには、持ち主が消失するという言い伝えがあり、ヘレンはその言い伝え通り、みんなが見ている前で、家に入った途端に行方不明に!序盤だけでミステリー好きにはワクワクする展開。トリックを知ればシンプルながら、次々と伏線を回収しながら、犯人を追い詰めるヘンリー卿の迫力は圧巻。やっぱり本格物の古典はいいと感じる一冊でした。2020/07/19
Tetchy
14
魅力的な謎を魅力的な論理、魅力的な解明で解き明かしてこそ、本格推理小説は引き立つ。そして謎が魅力的であればあるほど、読者の期待が否が応にもその解決に集まり、増していく訳だが、その真相の魅力が逆に小さく、期待しただけに終わったというのが正直、私の感想だ。人間消失の真相に関して少し匂わせるような文章を書いていれば「さすが!」と感嘆したように思う。でも第二の失踪事件の真相は良かった。2009/11/03
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