出版社内容情報
神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。事件を求めて名刺を配り歩く彼は、果たして名探偵なのか、ただのトラブルメーカーなのか――大学のサークル棟で泥棒同士が鉢合わせした盗難騒ぎ、夏休み直前に起きた宗教学試験問題漏洩事件、助手であり唯一の会員・葉村譲を巻き込んで繰り広げる日常の謎など、『屍人荘の殺人』以前に起きた5つの事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集!
内容説明
探偵というものは、なかなかに難しい。『屍人荘の殺人』以前―神紅大学ミステリ愛好会・明智恭介が遭遇した事件。
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- 評価
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
434
『屍人荘の殺人』で悲惨な最期を遂げた明智恭介が、主役として日常の謎を解明するスピンオフ短編集。名探偵の印象はまるでなかった恭介が、実はドジだが頭脳明晰キャラだった落差がカギだ。いずれも普通なら見落としてしまう事件の不自然さに着目し、真犯人のトリックに到達する本格短編の王道を見事に実現している。特に「試験問題漏洩事件」は、チェスタトンの著名作を鮮やかに逆転構成させた快作。このまま剣崎比留子と出会わなければ、それなりに有能な探偵として知られる存在になっていたかも。「殺すべきでなかった」との思いが書かせたのか。2024/07/30
starbro
391
今村 昌弘、5作目です。〈明智恭介〉シリーズ第一短編集 著者と言えば、特殊設定ですが、今回は常識的なミステリなので、あっさりし過ぎな感じがしました。 https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/97844880290672024/07/08
stobe1904
316
【明智恭介シリーズ短編集】『屍人荘』の前日譚でエピソードゼロにあたるもので5つの短編から構成される。ミステリ愛好会の明智と葉村コンビが日常の謎に遭遇し、悪銭苦闘しながら解決に至るさまがユーモラスで小気味よい。短編だがミステリとしての切れ味は十分で、次の作品が待ち遠しい。本編が長大化しつつあるので、この軽さは維持してほしい。★★★★★2024/09/11
hirokun
291
★3 日常生活の中で発生した謎を解決する推理小説短編集。グロテスクな状況が起きない落ち着いた雰囲気の小説のため、ドキドキしながら作品を読み進めるような緊張感はないが、気持ちよく読めた。主人公は個性の際立った存在で、そこがこの小説の一番の楽しみ所か?2024/07/19
bunmei
287
死人荘シリーズの今村作品の新作。神紅大学のミステリ愛好会の明智恭介が、『屍人荘の殺人』以前に関わった物語は5つの事件。しかし本作の事件は、大学内で起きた不可思議な盗難事件やある日常を切り取った愛ある謎、不動産絡みの事案、泥酔した明智の間抜けな事案、ストーカーからの不審な手紙、等これまでの様な大事件でなく、身近で起こる事案ばかり。その分、真相を追い求め、謎を解き明かしていく緊迫感や醍醐味、展開への期待は今ひとつ。名探偵ぶりを発揮する屍人荘シリーズに受け継がれる、見習い探偵時代のエピソードとして描かれている。2024/09/12
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