出版社内容情報
簡単なボディーガードが、思わぬ殺人事件に。しかし被害者は美脚の女。自称・脚線美評論家の向坂が事件に挑む。ユーモアとハードボイルドが見事に融合した、私立探偵ミステリ。
内容説明
護身術マニュアルを熟読していたある日、怪しげな男に跡を尾けられているという若い女性が、若槻調査事務所にやって来た。まさに理想的な脚線美の持ち主。依頼は自宅までのボディーガードという簡単なものだったが、僕が何者かに殴られ意識を失っている間に彼女は殺害されてしまった…!事件を防げなかった向坂は思い悩むが、ニュースを見ていてある矛盾に気づく。事務所にやって来た女性は被害者よりきれいな脚をしていた。別人のはず。自称・脚線美評論家の向坂くんが、不可解な殺人事件の調査に挑む、ユーモアとハードボイルドを絶妙に配合した、私立探偵ミステリ。
著者等紹介
保科昌彦[ホシナマサヒコ]
1963年、香川県生まれ。2003年、『相続人』で第10回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むつぞー
13
若槻調査事務所って『ウィズ・ユー』のか~。読み始めるまで気が付きませんでしたよ。前作も登場人物は魅力的だと思ったことを思い出しましたけどね。今回もなんとなく謎解きに物足りない感じがあります。個人的には事務所の人物を中心にした連作短編集にしたほうが面白くなりそうな気がしますが…。2012/06/12
椎名ゆき
12
ばらばらだったお話が複雑に絡み合って一本のお話になる。シリーズものとは知らずいきなり読んでしまいました。が、あまり支障はなかったんじゃないかな。脚線美評論家には苦笑。私の知り合いにもいますね〜。途中まで向坂の謎解きに振り回されて全然わかんなかった。結構謎も面白くって最後まで楽しめました!2012/11/18
たこやき
6
前作『ウィズ・ユー』は、無理やりなアバター世界の設定に苦笑いが出てきたのだが、本作は素直に楽しめた。護衛に失敗して殺害された女性は実はニセモノ? 犯人の狙いは何? 色々とチグハグな中で、巻き込まれていく様が面白かった。「自分の能力を知りたい」と事件に挑むも、暴力団とかが出てくると途端に腰が引けてしまう主人公にも感情移入がしやすかった。まぁ、真相とかを考えると、全体的に間が抜けている気がしないでもないが、概ね、楽しく読むことが出来た。2012/09/06
まめみ
5
「ウィズ・ユー」に続く若槻調査事務所シリーズ第二弾。自称・脚線美評論家の向坂くん、なかなか好みのキャラでございます。美帆か綾乃かと言われれば、美帆の方がお似合いな気がするんだけどなぁ。おとなしい娘より厳しく尻に敷かれて欲しいタイプ(笑) 謎の方は繋がりや動機が少々薄い気がしないでもないけれど、面白かった。このシリーズ、長編よりも連作短編のほうが、より楽しめそうな気がする。2012/08/21
shibatay
5
狙いが謎解きものとハードボイルドの融合、でないのだとしたら、タイトルの「名探偵」は読者の選択を誤らせるかも。本作は、名探偵(謎解き)ものではなく、私立探偵ものですね。キャラがこなれた感じで楽しい。警察・暴力団絡みの部分がやたらと描写を細かくしていることと、起った事件とのバランスがちょっと悪い、かな。主人公と恋人の結論が能天気過ぎて、その点は逆に新しさを感じた。私立探偵でもふつーに幸せで何が悪い、みたいなw その部分をもっと爆裂させるとさらに面白いかも。2012/07/20